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ドラゴンクエスト・ファイナルファンタジー小説投稿掲示板


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詩、日記などがあったらとにかく書き込もう。
他人が見ておもしろいと思った内容、自分が思いついた内容があったら、とにかくどんどん投稿してみてくれい。

(注)最近ここをチャット代わりに使われている方がたくさんいます。
チャット代わりに使われますと、せっかく一生懸命小説等を書いた方の内容がすぐに流れて見れなくなってしまいます。
ここは小説やストーリー、詩、日記などを書くところですので、チャットはこちらにてお願いいたします。

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  第10章 1節:第二撃 - 翼無き天使 (男性) - 2008年12月02日 (火) 19時03分 [787]   
   活気溢れるルーマニアの市街地。人や車の喧騒が後を絶たない。陽がもうすぐ落ちて夜になる。
ただでさえ鬱陶しいと思っていたこの騒音は、今はさらに酷くなっていた。サイレンの音も聞こえる。
人々があちこちで騒ぎ立てている。興奮する若い女、パニックになる老人、呆然と立ち尽くす男。
理由はわかっている。その原因をつくったのは紛れもない自分自身なのだから。
 デュートは街中で一際高くそびえ立つビルの屋上で違うビルを、「ビルだった物」を見下ろしていた。
ビルだったその建物は、紅蓮の焔に焼き尽くされ、崩れ落ち、ただの廃墟となった。
どうせ取り壊す予定だった廃ビルだ。建設業者も大助かりだろう。
あの二人も今頃は、焼か圧か、はたまた窒息か。いずれにせよ生きてはいまい。
「探したぜデュート。まったく、行き先くらい言えっての」
背後から声がする。顔に付いた煤をハンカチで拭き取りながらティックが近づいてきた。
「…生きてたか」
デュートはチラッと横目にティックを見ると、再び黒煙を巻き上げる廃墟に視線を戻した。
「あぁ、おかげ様で2000$のジャケットが焦げた。弁償しろよ」
両手を軽く挙げて「やってらんねぇ」といった仕草をした。
「殲滅者は?」
「んだんじゃねぇの?爆発の直前まで俺の目の前にいたし」
やる気のない声で答えた。
「つーか火柱使うなんて聞いてねぇぞ。あんな大技じゃなくても、他にいくらでもやりようがあんだろ」
ジャケットをパタパタ叩きながら憤慨した様子で言う。
「あれはあれで意味がある。グダグダ文句を垂れるな。それに役を求めたのはお前だ」
「役ったってただの足止めだろ?面白くも何ともねぇんだけど」
「そんなことよりティック、次の準備を手伝え」
デュートは屋上のエレベーターに向かって歩き出した。
「…次って?」
ティックが後ろから気怠そうに尋ねる。
「…頭の悪い奴め。殲滅者が2人んだんだ。当然次の殲滅者が来るだろう」
ため息混じりに答えた。
「これだけのことをしたんだ。次は元帥が来るんじゃねぇの?」
「奴らはまだ我々の存在には気づいてない」
「へ〜、そうなの」
「単なる雑魚の組織と思いこんでるんだ。おめでたい奴らめ。だが……元帥の一人くらいは来るかもしれんな」
「お前が言ってたもう一つの計画の方は?」
「それはこっちで片付ける」
「ふ〜ん。オーケー、ただし条件がある」
急に元気を取り戻して明るく振る舞うティック。
「…なんだ」
デュートが怪訝そうな顔でティックを見る。
「次に殲滅者とやり合うときには、魔法陣なんてせこい方法じゃなくて、俺に直でやらせること」
やはり、といった顔でデュートは再びため息をする
「…いいだろう。お前が私の指示通りに動けばな。ただし、元帥とは無闇にやりあうなよ」
ティックがニヤッと笑う。
「もっちろん。愛してるよデュート」
「」


  2節:襲撃 - 翼無き天使 (男性) - 2008年12月02日 (火) 19時04分 [788]   

 頭がボーッとする。
いったい何が起こったんだろう。
天峰と一緒にビルに入り、地下でDICの組織の情報を掴み……。
それから、そうだ、男が来た。不敵な笑み。思わず寒気を感じた。
組織と関係がありそうだから捕まえようとしたんだけど、床に奇妙な光る模様が出来て、それから……。
アルトはガバッと起き上がった。
「ここは……」
WPKOルーマニア支部・医療施設の一室だった。清潔な空間、簡易ベッド、白い毛布。
窓からはすでに夜になっていることが伺い知れた。
「気がつきましたか?」
半開きの扉から入って来たのは支部長のジャン=アマドールだった。
「支部長……」
「まだ混乱しているようですね」
「僕はどうして…、天峰はどこです?」
「彼も無事です。別室で休んでいます。だいぶ無理をなされたようですね」
「あのビルは?僕らが向かった廃ビルはどうなったんですか?」
今まで微笑を崩さなかったジャンの顔が曇る。
「あのビルは、原因不明の大爆発で崩壊しました。ビルの地下から根こそぎ、吹き飛ぶと言うよりは焼失と言った方が近いですが、跡形も残っていません」
魔法陣――。
「僕、そのビルの中にいたんです」
「存じています」
「じゃあどうして…」
「…生きているのか?」
ジャンが引き継ぐ。アルトは頷いた。
「天峰氏が救ったようですよ」
「…でも天峰もあの中にいたんですよ?」
記憶にある限り、天峰はずっとアルトの視界に入っていた。
「詳細はわかりかねますが、とにかく両人ともご無事で何よりでした」
どうも、といってアルトは黙り込んだ。記憶の端を辿ってみる。
「それにしても」
ジャンは続ける。
「殲滅者の方の治癒能力には目を見張るばかりです。あの大爆発の中にいたのですから当然ですが、2人とも火傷が少々酷かったのです」
アルトは自分の腕を見る。確かに火傷の後が残ってるが、だいぶ回復していた。この分だと1週間ほどで傷跡も消えるだろう。
「薬と化学治療を併用するとさらに治りが早いようですね。常識では考えられない早さで回復しています」
「はい、僕も驚いてます」
「え?」
ジャンは少し驚いたような顔をした。
「あぁ、アルトさんはまだ殲滅者になりたてなのでしたね。失念していました」
「はい。傷の治りが早いのは知ってましたけど、何がどうなってとかいう詳しいことはよくわからないんです」
「そうですか。私が殲滅者の方に言うのもおこがましいことですが、この治癒能力の過信は禁物ですよ」
ジャンは警告するような口調で言う。
「これは細胞の回復というより、細胞の再生と言えます」
「…というと?」
「つまり、傷ついた細胞を修復するのではなく、廃棄して新たな細胞を急速な細胞分裂によって再構築しているのです」
「なるほど」
「しかし、人間の一生の細胞分裂回数は個人差はあれ決まっています。それを早めるあなた方の回復は、実質寿命を縮めているのと同じ事なのです」
「つまり、怪我をした分だけ残り寿命が少なくなるってことですね」
「はい。それに、お気づきでしょうが、その治癒活動は体が安静な状態でないと始まりません。つまり戦闘中には治癒できないのです。戦いの最中に立て続けに傷を負えば、当然死に至ります」
「気をつけます」
「天峰氏の様子を見てきましょう」
それでは、といってジャンは部屋を出ようとする。
「あの、あれからどのくらい経ったんですか?」
「あれから1日と経っていません」
「1日も…?」
「はい。爆発が起きたのは正午を少し回った頃です。今ちょうど深夜になるところですから」
あれから1日も経ってないのか。
「…本部と連絡を取りたいんですけど」
いろいろ厄介なことになってるようだ。DICの組織、デュート、罠、そしてあの男。
結局ここにいるDICはまだ殲滅できていない。
組織の狙いはわかった。アルトたち殲滅者だ。そして組織をデュートと、おそらくあの男が操作している。
それにしても、デュートとあの男の正体はまだわからないが、DICの側からWPKOに攻撃を仕掛けてくるなんて。
アルトはそのようなことはアデルからも聞いたことがなかったが、考えてみればごく自然な話だ。
DICを邪魔する存在はアルトたち殲滅者を除いて他にいないのだから。殲滅者さえいなければもう世界はDICのものだ。
知能が発達したDICも当然そこに気付くだろう。そしてこの事件のDICは知ってしまったのだ。「組織の強さ」というものを。
アルトはゾッとした。
世界中のDICがお互いの存在を認識し合い、殲滅者という共通の敵を倒すために結託して、組織にまとまってしまったら、この世界はどうなるのだろう。
DICの軍団。
そして、もうその事態は起き始めているのではないかという不安を、アルトは心の底で感じていた。
「この部屋に電話は置いてないので、失礼ですが管理室まで来ていただけますか?」
「わかりました」
アルトはベッドから降りて立つ。
「その必要はない」
天峰が部屋に入ってきた。
「本部長には俺がもう報告した」
「体の方はもう大丈夫なんですか?」
ジャンが尋ねる。
「問題ない。世話になったな」
「とんでもない。これでも医者の端くれですので」
「…外してもらえるか?」
「わかりました。また何か用事がありましたらお呼び下さい」
「ああ」
「失礼します」
ジャンが扉を閉めて出て行った。
足音が聞こえなくなったところで天峰が素っ気なく話し出す。
「本部長から任務中止命令が出た」
予期しない言葉に一瞬絶句するアルト。
「任務中止!?いったいどういうことですか!?」
「この任務は上層部に委託される」
「上層部ってまさか…」
「総本部元帥だ」
元帥が動く。
「……そこまで事が大きいんですか?」
「ああ、どうやら総本部の極秘案件に噛んでるらしい」
「極秘案件って、なんですか?」
「俺が知るわけないだろ」
「…ですよね」
「だが、ビルにいた奴らが関わっている可能性は高いな」
アルトが思い出したように言う。
「そういえば本部長が言ってました。今回の事件は妙だって。それと罠の可能性があるとも」
「さっき聞いた。現に罠だったしな。DICの組織は殲滅者を誘き寄せる餌だ。総本部の極秘案件に絡んでるのはほぼ間違いなくデュート、そしてあの男だ」
不敵な笑み、深紅の瞳のあの若い男。
「何者なんですかね」
「わからん。ただのDICである可能性もあるし、そうでない可能性もある。だいたい、あの爆発で奴の生死も不明だ」
「どうやって脱出したんですか?」
「どうもこうもない。普通に逃げた。爆発の衝撃で気絶したお前を担いでな」
普通に?あそこは地下の4階だ。間に合うわけがないがないのだが、今はそれどころではないと浮かんだ疑問を打ち消した。
「助けてくれて、ありがとうございました」
「…死亡報告書の作成手続きが面倒だからな」
「ははは」
天峰はしばし考え込んだように黙る。
「……あの魔法陣とかいう攻撃、ただのDICにしては強大すぎる」
「そうですね」
「それに本部長の反応も気になる」
「というと?」
「本部長が任務中止を言い出したのは、俺が魔法陣という攻撃を受けたと報告した直後だ」
「……これからどうするんです?」
「必要なことは全て報告した。本部に引き上げる」
「任務を途中で投げ出すんですか?」
「そういう命令だ。それに元帥が引き継ぐんだ。何も問題はない」
「それは、そうですけど……」
アルトは項垂れた。
「準備しろ。明朝立つ」
はい、と返事しようとした時だった。
「!!」
アルトは急に頭を上げて窓の方を見る。
「……?」
天峰が怪訝そうな顔でアルトを見た。そして扉が突然すごい勢いで開く。
入ってきたのはジャンだった。表情は強ばり、顔面蒼白になっている。
「DICの襲撃です!」
「場所は?」
天峰が極めて冷静に聞く。
「ここですよ」
アルトが代わって答えた。
「ダークマターを感じます」
「DICが直接ここに…?」
「天峰」
アルトは天峰に呼びかける。
「帰る準備、しますか?」
「…いや、戦闘準備だ」


  3節:戦闘開始 - 翼無き天使 (男性) - 2008年12月02日 (火) 19時07分 [789]   
 ルーマニア駅。
「あ〜、やっと着いた」
マイヤは伸びをして夜の冷たい外気を肺に取り込む。列車が汽笛を鳴らして去って行った。
「もう真夜中じゃない」
人気のない駅を見渡して呟く。
ここから支部のあるブカレストまでは車で飛ばしても1時間以上かかる。歩くなんて論外だ。
マイヤは迎えの車をよこしてもらうために駅の公衆電話で支部に電話した。
呼び出し音が10回。人が出ない。
「おかしいな〜。居眠りでもしてるのかしら」
電話を切ろうかと思ったときだった。電話が繋がった。
「…もしもし?」
WPKOルーマニア支部です。普通の受付ならこう言うはずだった。しかし電話に出た声は全く違うセリフを叫んだ。
「助けてくれ!!DICが……!!」
何かが潰れる音。そして沈黙。
「もしもし!?ちょっと!どうしたのよ!?ねぇ!!」
返事はない。マイヤは受話器を戻した。
躊躇している時間はなかった。導き出された結論は一つ。
ルーマニア支部がDICの襲撃を受けている。
「あぁもう!いったいどうなってんの!?」
マイヤは駅を飛び出した。
「アルトと総くんは何やってんのよ…!」
走って行ったのではとても間に合わない。どこかで移動手段を確保しなくては。
辺りを見渡すが、あいにくタクシーはどこにもいなかった。
「どうしよう…。こんな時間じゃバスもないし…」
思案に暮れていたマイヤに1台の車がクラクションを鳴らして近づいてきた。
「ねぇねぇ、こんな夜中に何してんの?」
夜でも映える真っ赤なオープンタイプのスポーツカー。若い男が乗っていた。ニヤニヤ笑いながらマイヤに話しかける。
こんな時にこんなチンピラに付き合っている暇はない。たとえ暇でも付き合ってる暇はない。
無視して去ろうと思ったが、思い直して男の方へ向き直った。
「この車、貸してくれない?」
「わお、よく見たら超美人じゃん!どこ行くの?送ってあげるよ」
「これから私が行くところはとっても危険なの。だから車を貸してくれるだけでいいわ」
「おいおい、馬鹿言うなよお姉ちゃん。いいから乗れって。危険なら一人で行かない方がいいだろ?」
マイヤは大きくため息をついた。
「危険だから、あんたみたいな足手まといがいると困るの。さっさと車を降りなさい」
男の眉間がピクッと動く。
「あぁ?てめぇ何様のつもりだ」
さっきとは態度が一変した。男は車から降りたものの、今度はマイヤに突っかかってきた。
ドアをバタンと閉めてマイヤに詰め寄る。
「俺が足手まといだと?このアマ。偉そうに命令なんかしやがって」
「あんたみたいな弱い男について来られると、逆に迷惑なのよ」
「てめぇ!調子に乗んなよ!?」
今度は懐からナイフをちらつかせ始めた。
「わかった、もういいわ」
マイヤはWPKOの手帳を取り出して男の鼻先に突き付けた。
「WPKO殲滅部門の非常事態特権を行使し、世界秩序のため、あなたの車を徴集します。なおあなたがこれに抵抗した場合、私はあなたを任務遂行妨害と見なし最大3ヶ月間、拘束または監禁する権利を得ますので、くれぐれも抵抗することのないように」
男は何が何だかわかんないという顔だ。
「WPKO?何わけわかんねぇこと言ってやがる。いいか?今度俺になめた口ききやがったら――……」
男の目の前をキラッと光る一筋の閃光が流れたかと思ったら、持っていたナイフの上半分がスッパリと斬れ落ちた。カランと乾いた音が響く。
男は目を丸くしてポロリと地面に落ちたナイフの欠片を見つめた。
マイヤはにっこり笑う。右の人差し指の先には鋭利な水のカッターが出来上がっている。
その指をそのまま口先に持っていき、沈黙を命令した。
「……――いったいどうなるのかしら?」
男はその場で凍り付いて動かなかった。
「キーを出して」
マイヤの言葉に男は我に返ったようになって動き出し、ポケットからキーを出してマイヤに渡した。
「ありがと。朝になればバスが来るんでしょ?それに乗って帰ってちょうだい。それと、この件は誰にも口外しないこと。いいわね?」
男は黙ってひたすら頷く。
マイヤは車に乗り込みエンジンを掛けた。発進しようとしたが、不意に男の方を向いて言った。
「言い忘れてたけど、私、弱い男って嫌いなの」
マイヤが髪をなびかせながら遠く去ってから、男はその場に座り込み、ただただ呆然とするばかりだった。

「襲撃を受けているのは支部のどこだ?」
駆け足で階段を降りながら天峰がジャンに尋ねる。エレーベーターは追い詰められる危険が高い。
「奴らは正面入り口から突入してきて、この棟の1階、2階はすでに壊滅状態です」
「数はどのくらいですか?」
「連絡によると20体はいるようです」
「20!?」
組織は多くて30体だと見込んでいた。そのほとんどがここに?
「支部長、あんたは安全な場所に避難しろ」
「しかし…!」
「あんたは戦闘に関しては無力だ。何も出来はしない」
「…わかりました。私は施設内の人間を連れて避難を開始します」
「でも下にはDICが…」
「7階の渡り廊下から別棟に移動できます。そこはまだDICに襲われていませんし、そこなら地下シェルターがあります」
「では出来るだけ多くの人を避難させてください」
「はい。あなた方もどうかご無事で」
医療施設は支部の10階。現在地は7階。ジャンと別れてアルトと天峰だけになった。
「それで、どうしますか?」
「決まってる。敵は消す。それだけだ」
『エターナル・フォース、発動』
アルトの右手には“デスペナルティ”、天峰の左手には“千鳥一文字”が現れた。
「征くぞ」
「はい」

「本部長!たった今ルーマニア支部から連絡が入って、DICの襲撃を受けているそうです」
アーヴィンが司令室に駆け込んでくる。
「アルトくんと天峰くんはまだそこにいるの?」
「みたいです」
「元帥は?」
「消息不明のアデル=キースロード元帥を除けば、一番近いのはミテラッド=カスパー元帥かオリヴィエ=ローゼン元帥ですけど、どちらも早くて1日かかります。」
このままでは明日にはルーマニア支部は無人の廃墟となる。
「向こうとの通信状況は?」
「ついさっき通信室がやられたみたいで、現在は全く連絡が取れていません」
ライアンは黙り込む。
「…本部長、どうしますか?」
「アルトくんたちはまだ支部にいるんだね?」
「そうです」
「…なら、彼らに任せよう」
「しかし本部長…!」
アーヴィンはさらに一歩詰め寄る。
「この事件には『ジハード』が関わっていることが明らかになったんです!あの2人が留まるのは危険です!」
ライアンは答えない。
「しかも『魔法陣』!10年前の『あの事件』と同じだ!本部長はずっと薄々気づいてたんじゃないですか?この事件には『ジハード』が関わってるって」
「……どっちにしろ、今は連絡が取れない。それに、この状況じゃあの二人に逃げろと言っても逃げはしないさ。そういう子たちだ」
「…そうですね。両元帥に至急ブカレストに向かってもらうように要請してきます」
「ああ。よろしく頼むよ」
アーヴィンは司令室を出て行った。
ライアンは静まり返った部屋の中で、拳を握りしめた。
「どうか、無事でいてくれ……」

「…これ、どう思います?」
アルトが天峰に尋ねる。
「最初から狙いは俺たちだったらしいな。好都合だ」
5階のメインフロア。そこにいるのはアルト、天峰、そして擬態を解き放ったDICの群れだった。
「2対20でやるにしては少し狭いな。ここを出るぞ。外に広い敷地があった」
天峰が周囲を見渡しながら言う。
「でも下に行く階段もエレベーターも奴らの向こうですよ?」
「ここは5階だな?」
天峰が確認するように言う。
「そうですけど」
「窓から飛べ」
至極当然のように言い放った。
「…下手したら脚が折れますよ?」
「折れても戦え。お前、銃なんだから問題ないだろ」
「大ありですよ!」
そこへDICが口を挟む。
「おいてめぇら!なにゴチャゴチャしゃべってんだよ!俺たちゃてめぇらをとっとと始末して、上にいる人間どもを食い尽くしてぇんだよ!」
天峰が大きなため息をつく。
「雑魚風情が、俺に気安く話しかけるな。反吐が出る。消してやるから、さっさと来い」
「野郎ども!ぶち殺せ!!」
アルトと天峰はガラスを突き破って飛び降りた。
決して語られることない歴史の中に記される「ブカレスト事件」。
その最終舞台が今、始まった。


  10章だよーーー - 翼無き天使 (男性) - 2008年12月02日 (火) 19時28分 [790]   
え〜最近めっきり寒くなって、冬服を買いに行きたくなる季節になりました(笑
持ってねーんかい!と聞かれれば、持ってない!と打てば響くように答えられます。
買いに行けっつー話ですよね。
明日買いに行きますとも!

さてさて、前置きが長くなりましたが第10章です。
では、また次回(短か!)

  ぬはぁ - ベールゼブブ (男性) - 2008年12月07日 (日) 12時01分 [791]   
出た名シーン^^;
なんとなくマイヤさんのファンだったりします。
なんつーか・・・同じ事してみたい・・・的な。
弟子にしてください!!

冬服ぐらい大丈夫です!基本屋内が暑いぐらいなので私春服でも耐えられます!!以上!!



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