|
悩み - ベールゼブブ (男性) - 2009年09月05日 (土) 21時13分 [1058]
| |
ルークはテントで頭を抱えて悩んでいた。こんなときに気持ちを落ち着けてくれるはずのアーサーの意識はまだない。幼いルルもきっと、酷い怪我を負って伏せっているに違いない。 だが、ルークははたと気付いた。 「ルルア・・・!」 彼女だったら何か分かるのではないか。そう思い立ち、ルークは急いでルルのテントへ直行した。 ルルは案の定ベッドに伏せっていたが、死んではいない。そっとルークはルルの手を取った。 「ルルア・・・聞こえるか・・・? 聞きたいことがある・・・。出てきてくれ! 頼む!!」 相変わらずルルは寝息を立てているだけだった。ルークはさらに食い下がる。 「頼む!! 出てきてくれ!! でないと私は・・・私は・・・っ!! どうすればいいか分からない!!」 伏せった巫女からの返事はない。ルークは涙ながらに訴えた。 「お願いだから出てきてっ!!」 その時ルルの身体が光を放ち、光が人の形をとった。例の具象気体となってルルによく似た少女の姿が現れる。 「ルーヌ、私を呼ぶその強い思いを受け取りました。何か余程の悩みがあるようですね」 「ルルア、私は何者なんですか? 私は今まで普通の人間で、人間として生きることを運命づけられたと思っていました。でも、そうじゃなかった」 ルルアはじっと、静かに聞いていた。 「だとしたら、私は何者なんですか? 人間じゃなかったら、何だと言うの? もう私・・・どうしたら・・・っ!」 そっと、ルルアは泣きじゃくるルーヌに手をさしのべた。そしてその髪を撫でる。 「ルーヌ、泣かないで。私もあなたを疑問に思っていました。どうして人間であるあなたが、巫女である私を導き、そして人々の助けとなってここまで来られたのか。しかし」 ルーヌは泣き顔を上げた。 「私は探求の巫女。それを捜し求めるのには協力できますが、あなたの過去を教える事はできません」 「そう・・・ですよね・・・。私は何て馬鹿なんだろう・・・」 いえ、とルルアは否定した。 「私の姉、次女のカリエールなら分かるかも知れません。あなたには知る権利がある。そのためには一刻も早くみなさんの怪我を治さねばなりませんね。でも心配は要りません。エルフの治療は高い効果を持っていますから」 「え? でも三日はかかるって・・・」 ルルアはにっこりと微笑んだ。 「魔法で治らない怪我が三日で治るのです」 ルーヌもようやっと笑顔を見せた。 「でも私は三日と待たずに動けるようになった。他はみんなまだ起き上がれないのに」 「それだけあなたが強くなったということです。それに」 ルーヌは続きを促した。ルルアは微笑んで答える。 「例えあなたが普通の人間でないとして、何が問題なのです? あなたはあなたでなくなるのですか?」 ルーヌははっとした。 「あなたはあなたでいればいい。あなたに突きつけられた現実は辛いものかもしれません。でも、臆する事は何もない。いいですね?」 ルーヌは頷いた。一言だけ礼を言って。 ルルアはそっと、消えていった。ルーヌは再度礼を言い、ルルのテントを後にした。
私は私でいればいい。何より彼女には嬉しい言葉だった。女である自分を否定し続け、男として生きようとしていた私。それを否定し続けてきたみんな。女としての自分を押し殺し続けることでアイデンティティを保とうとして、結局それを自身で殺してしまっていたのかもしれない。でもそれが自分だと思っていた。実際は自分が素直じゃなかっただけだった。 素直に、生きよう。ゆっくりでいい。それが私なのだから。
|
|
ああようやっと - ベールゼブブ (男性) - 2009年09月05日 (土) 21時18分 [1059]
ここまでこぎつけた。もうすぐでエルフとニンフの問題が終わりそうです。この後のほうの話がいっぱいできあがってるものですから、こっからが早くなるのかな?ーー;
ではレス返し
天使様>
山田君、ざぶとん一枚(笑) ルーヌの出生の秘密その他諸々については、まだもうちょっと先のようです。
では☆
|
|
う〜む。 - 翼無き天使 (男性) - 2009年09月06日 (日) 20時47分 [1060]
自分が何者であるか。 それは人生最大の謎ですよね〜。 また自分は何がしたいのか、というのも若い青少年、主にオレ(笑)、にとって悩みどころであります。 頑張れルーヌ〜!
ではでは
|
|