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ドラゴンクエスト・ファイナルファンタジー小説投稿掲示板


ここは小説投稿掲示板だ。
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーまたはその他(アニメ、ドラマ)などでも、楽しそうな小説やストーリー、
詩、日記などがあったらとにかく書き込もう。
他人が見ておもしろいと思った内容、自分が思いついた内容があったら、とにかくどんどん投稿してみてくれい。

(注)最近ここをチャット代わりに使われている方がたくさんいます。
チャット代わりに使われますと、せっかく一生懸命小説等を書いた方の内容がすぐに流れて見れなくなってしまいます。
ここは小説やストーリー、詩、日記などを書くところですので、チャットはこちらにてお願いいたします。

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  アークブレード - 漆黒の騎士 (男性) - 2009年07月12日 (日) 16時39分 [940]   
  アレンは車の方へ向かって歩き出すが辺りの様子を伺いながらである。ルイナートが他にも何かを送り込んだかも知れないというソルジャーとしての経験が彼をそうさせているのだろう。しかし何も出なく無事に車までたどり着きホッと肩を撫で下ろした。

車に乗り込むと何故か先程とは雰囲気が違った。暗いながらもルームミラーに目をやるとそこにはちらっと銀髪の男が映っていた。

「だ……」
アレンは「誰だアンタは」と言おうとしたが銀髪の男が空かさず口を挟んだ。

「やぁ、お帰り。」

「だからアンタは誰だ!そして運転席に座っていたジィさんはどうした!」

「ああ、彼かい?それなら…」
と言い徐に薄っぺらい何かを取り出し被り更に続けた。

「こんな感じの老紳士だったかい?」
彼はマスクの様な物を被ると何処から見ても見事に老人にしか見えない。そしてアレンがルームミラー越しに見ていた老人の顔とも同一であり、アレンは少し驚いていた。

「おっと先程は甲冑のままで失礼した。僕は…」
改めて自己紹介をしようとしたが今度はアレンが遮るように言った。

「…ツァイベル=ラディンだろ。その喋り方と甲冑の話で飲み込む事ができた。」
やはりツァイベルの鼻につく様な喋り方は個性的であった。

「先ず、何故僕が変装までして此所に居るのか説明しなくてはね。」
ツァイベルはエンジンを始動させ車を発進させ、更に続けた。

「僕はとある団体の一人で政府の事を調べていたらルイナート=ケビンと言う男が不穏な動きをしていて、研究所を調べるにも一般人は入れない。そこでソルジャーの出番さ。だから彼が研究成果の報告をメールで軍事施設に送信した段階でソルジャーを誰か一人を派遣すると言う話を予め総司令にしておいたから事がスムーズに進んだよ。」

ツァイベルは大体の成り行きを説明するもアレンには彼と総司令がどう繋がっているのか分からず質問をした。

「アンタは総司令とはどう言う繋がりなんだ。」

「おや、それは詳しくは言えないが君とはまた一緒に仕事をしそうなので話しておくよ。総司令は総司令って言うけど名前を使い分けているから本名は僕にも分からないよ。総司令は軍人として総理やカメリカ軍のトップの言う事を聞いて仲良しごっこをやるのが建前で本当の所は反政府組織の裏のリーダーと言う側面を持っているのだよ。だからスムーズに事が進んだのさ。」

「それは初耳だな。だが何故俺がその仕事に選ばれた。他にも適任者がいただろう。俺は脅されてまでこなしたんだ。」

「君も知っての通りケビン氏はあの通りの性格だから皆嫌がって巡回に回ったから頼めるのは君しかいなかったのだよ。それに関してはすまないと思うよ。して何かネタは掴んだのかい。是非とも教えてくれたまえ。」

「…今から言う事は本当の事だから驚かずに聞いて欲しい。」
アレンは座り直し改まりそう言った。

「先ずルイナートから『人を甦らす事に成功した』と言う胡散臭いメールが届いた。それで早速行ったがそれは人体実験で魔物の細胞を使い何らかの方法で蘇生させるらしい。奴はそれを"半身半魔"の存在だと言っていた。そしてこうも言っていた。『理性の乏しい奴は 興奮したりして感情的になると"覚醒"と言う半身半魔が保てなくなり心身共に魔物になる現象を引き起こす』とな。奴はそう言った奴等を使って魔物の親玉を倒すと偉そうに言っていたがあの様子では実現は有り得ないだろうな。」

「この間君が倒した化け物男もじゃあ彼が造り出した存在だと言うのだね。成る程、だから人が急に魔物になったのか…」

アレンは更に続けた。

「その話しには続きがあってその時に化け物男を倒した俺とクレア=カトレーンと言う女にルイナートが間接的に何処からか観ていたらしく制裁を下したらしい。勿論女の名前は聞かれても答えなかったがな。」

「クレアはあまりにも強いから、出る杭は打たれると思い僕が変装して弱いふりして彼女は本当はか弱いんだと言う事をアピールしようと思ったがまさか裏目に出るとは…」
と自身無さげに小声で呟く様に言ったがアレンは聞き逃さなかった。

「と言う事はクレアと言う女は存在しないんだな…」
アレンは冷静を装っているが実は怒りたいのを我慢しているようだ。

「クレア=カトレーンと言う女性は実在するよ。君も噂位は聞いた事あるだろう、『カメリカ人狩り』とか『桃色の悪魔』と言う噂を。これらは彼女に付けられた通り名だから色々な輩に目を付けられてはいけないと思いやったのさ。それに君の力をいきなり見せてくれと言っても承諾してくれないだろうから君の様なタイプが好きそうな活発だが少しだけか弱い一面を持った女性に変装しわざと騒ぎを起こしたのさ。お陰で君の力を少しばかり見る事が出来て良かったよ。」

「アンタは俺が来なかったらどうしていたんだ。」
冷静にしているがまだ少し怒っているようだ。

「僕も一応一般人の様にお金を払ってジム通いをして鍛えていたからあれ位は楽勝だけどあの格好だし使い慣れていない槍で戦うのは少し不利だったかも知れないな。」

「本気で守ろうと思ったのに残念だ。」

「本人に会ったらその情熱的な台詞を言ってあげるといいよ。きっと喜ぶと思うよ。」
ツァイベルは彼女の性格を知るが故にどうなるか分かるのに含み笑いをしながらアレンにそう提言した。

「馬鹿にしてい……」
とアレンが言いかけたがツァイベルが遮る様に口を挟んだ。

「と、そんな事よりもケビン氏は何故あれだけ強い魔物を放ったのか気にならないかい。まるで足止めして別のひた隠しにしていたものを繰り出すそんな気がするよ。」

「確かに俺も同じ事を考えた。仮にそうだとしたら急いで都心部に向かった方がいいかも知れない。」

「僕も同胞達が心配さ。けどこれ以上スピードは出せないよ。」
普通なら焦る所だがツァイベルは冷静にそれを言ってのけた。

それなら仕方無いかとアレンは黙っていた。だがどうにかしたくて内心焦っていたのはツァイベルも同じである。

そんな二人を尻目に遥か後ろで僅かに音がする。ツァイベルは微かな音を聞き取ったのか無茶ではあるが更に速度を上げた。すると車が激しく揺れる。

遥か遠くで聞こえて来た音も次第に大きくなっていく。ツァイベルが運転操作で急がしい中車外に取り付けられているサイドミラーに目をやると小さくだが後ろに追跡車両がいるが遠くて色や形を判別出来るレベルではない。

(…ポリスなのか。政府が組織の合理化か何かでソルジャーと統合してそれを拒んだ残党風情が未だに融通の利かないお務めか。全くご苦労な事だ。)

とアレンは近付いている追跡車両を眺めながらそう思った。

追跡車両はどんどん速度を上げ迫り警告と思われる声が発せられた。

「其処の車!止まれ!さもなくば強制停車させる!」声の主は30代位だろうかエネルギッシュな声の持ち主である。

だが二人共警告には耳を貸さなかった。そのせいか後方で銃声が響いたが幸い弾は外したようだ。アレンは何を思ったのか窓の外に身を乗り出し様子を伺いつつ車外に出てトランクの上にうつ伏せになり剣を抜き切っ先を下に向けた。

すると二発目が発せられた。しかし金属と金属がぶつかり乾いた音が響き渡った。そうアレンはタイヤに弾が命中しない様に受け流したのである。

強制停車とは拳銃を発砲しタイヤに命中させパンクを起こし停車させる事だった。

そして今度はアレンが風の魔法を使い、それは複数の渦となり車の後方を塞ぎまるで防御壁の様だ。これでは弾が来ても当たらない。追跡車両の男も躍起になって止めようと必死に追跡し距離を詰めては発砲しを繰り返すがアレンも繰り返し風の魔法を使い応戦した。
弾が当たらず今度は追跡車両自体を体当りさせて止めようと言うのか速度を上げて突進する姿はまるで闘牛の牛の如くである。

しかし風の魔法による防御壁で追跡車両は弾かれスリップしたかと思うとスピンしクルクルと何回も回転し遥か後方まで飛ばされガードレールに当たり漸く止まった様だ。車両が当たったガードレールは余程凄い衝撃だったのか激しく変形していた。

「…そうか、あれが魔法か。噂に聞いていたが凄いな。よもやあんな子供騙しでここまでやるとは流石はアレン=エクスター大尉…」
スピンした末にガードレールに当たって止まった車両の中で警官らしき男がそう呟いた。



━━━



ここは代わってアレン達の乗る車両の中である。追跡車両を撃退し追っ手が来ない様に一時的に猛スピードで走行しある程度になるとスピードを緩め走行した。
「僕は見ていなかったが追跡車両を撃退したようだね。」

「…こんな事は朝飯前だ。」
とアレンは言ってのけた。
「謙遜しなくていいさ。本当に君のお陰なんだから。」

「俺は他人に借りを作るのが嫌いな主義だ。」

「借りだって?僕が言うのも難だけど困った時は御互い様だと思うよ。それに君もそう言いたいのだろう。」ツァイベルは言いながらアレンの方を向いた。するとアレンは静かな寝息を立て眠りについていた。

「フッ、全く君は素直じゃないな。」
ツァイベルは溜め息をつきそう呟いた。

車は次第に都心部へと近付いて行く。標識には市街地20q先と書かれていた…




最後に、毎度毎度下らない話ばかりで本当に恐縮です

  初めまして - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年07月18日 (土) 11時44分 [941]   
う〜ん、読んで見ましたが知らないアニメですね。
私はDQやFF ナルト ワンピース 銀魂などは知ってますね。
CTって、ドラクエやFFの中には入っていないのでしょうか?

  感想ありがとうございます - 漆黒の騎士 (男性) - 2009年07月19日 (日) 13時35分 [943]   
感想ありがとうございます

ネタ的には半身半魔のアイディアはクレイモアで機動鎧はハガレンやレッドアイズと言ったところです。

後、微妙にですが名前に意味があるキャラもいます。


アレン(剣)=エクスター(撲滅の英語を短縮しました)


  アークブレード - 漆黒の騎士 (男性) - 2009年06月29日 (月) 16時32分 [938]   
   黒塗りの高級外車が颯爽と漆黒の暗闇を走り抜ける。農道を抜け山岳の麓の道を行く。トンネルまでまだ距離はあるが入り口はすっぽりと口を開け吸い込まれそうな感じである。

「ふぅ、霊感のない私ですら嫌な予感が致します。引き返すなら今の内ですよ。」
運転手の老夫は冷静を装っているが実の所恐怖で手元が震えていた。だが誰一人として返事はない。

(やはり行くしかないのですね。トホホ…)
運転手はそう思いつつ溜め息を吐いた。

黒塗りの高級外車はどんどん進み分岐点を左に行き、とうとうトンネルの入り口の前まで来てしまった。近づけば近づく程入り口はガッポリと大口を待ち構えているかのようだ。

入り口はバリケードがしてあった形跡があるが若者が面白半分で心霊スポットとして踏み込んでいるのかバリケードは道路の端に放置されている。

車は徐々に確実にトンネルの中に進むが車のライトの明かりだけでは頼り無く感じる程の暗闇がトンネルを支配していた。

(むぅ、何か気を紛らわさなければ…)

運転手の老夫は気を紛らわす手段を考えに考え口を開いた。

「大尉、ご存知ですか。このトンネルはレギュウムがカメリカの支配下になって直ぐに造られたのですが、作業員はろくに食事を与えられずに病気になるものも多数いたにも関わらずカメリカ軍兵士の現場監督は無理矢理働かせ、途中で力尽きた者はトンネルの壁の一部つまりは人柱にさせられていたのです。だから壁を壊したらひょっとしたらその遺体が出てくるかも知れませんね。」

「人柱か。惨いな…」

「しかしながら命からがら上手く逃げ出せた人もいたそうですよ。」

「だが彼等に逃げ場などないだろう。逃げ出せたところでレギュウムの随所はカメリカ軍兵士で溢れ返っていただろう。」

「そうですが彼等は秘密裏に反カメリカの地下組織を作り、カメリカ軍兵士の撲滅を目論み活動をしていたとか何とか…。彼等の子孫かどうかは知りませんが、"非政府組織"と言うものが動いていて駐留しているカメリカ軍兵士を無差別に襲っているみたいですが根本的な解決にはなっていないですな。元を断たなければ元の木阿弥だと思います。」

「カメリカの皇帝とやらか。人前に一切姿を現さないと言われていて存在自体も不明、全て謎のベールに包まれていて警護には屈強な筋肉達磨が付いている臆病者の事か。」

「彼を倒すには兵士の目を掻い潜り、更にはその警護の者を倒さないといけないとなれば到底一人の力では無理でしょうな。ところで貴方も彼を倒したいとは思いませんか?」

「……誰が嫌だから倒すとか興味ないな。俺は俺なりの戦いをして金を貰うだけだ。」
アレンは俯き加減で首を横に振りそう答えた。

「左様でございますか…」
運転手の老夫はアレンが自分の意見に賛同してもらえなくがっかりしているのがうかがえる。

そして車は漸く出口に差し掛かった。運転手は何も出なくてホッとしている。
しかしトンネルから完全に出るとヘリコプターのプロペラの様な音がする。しかもかなり低空飛行していてアレン達の乗っている車の直ぐ真上を通り過ぎ旋回した後100メートル位離れた所で着地した。

「ジィさん、悪いが止まってくれ。」

「かしこまりました。」
車は少しだけ進み路肩で止まった。そしてアレンとNo.12は車を降りた。暫くするとヘリコプターから人が降りてきた。一人でなく二人いる。

「ごきげんよう!アレン君。」


この声は聞き覚えがある声だがアレンは無視した。

「おや、随分なご挨拶じゃないか。なぁ、No.13よ。」
ルイナートの後ろにいた人影はコクりと軽く頷いた。そして前へと歩き出した。人影は大分はっきりと見えてきてNo.12は息を飲んだ。彼が感じ取った気配の通りNo.13は覚醒していたが予想を越えており白骨化した骸骨の様な出で立ちをしていたからだ。

「驚く事はない。君達双子には同じ魔物の細胞を使っているのだからね。そしてお前ももう演技をする必要はないぞ。」

アレンは自身の耳を疑ったがNo.12は否定する事なく黙って上を向き呟いた。

「もう行かなくてはな…」

「そうだ。それでいい!」
ルイナートは覚醒に拍車をかけんばかりにそう言い放った。

「貴様…!」
アレンは覚醒を止めようと思わず口走ったがルイナートが更に続けた。

「もう遅い。あれを見ろ。」
ルイナートはNo.12の方に指を差しそう言った。するとNo.12は上を向いた状態で皮膚が剥がれ落ちNo.13と同様の白骨化した骸骨の姿に成り果てた。

「It's a showtime!」
ルイナートがそう叫ぶと二体の骸骨は鞘から剣を抜き襲って来た。アレンも剣を抜き一先ず間合いを取り様子を見る事にした。

「ククク、2対1はフェアではなかったな。今、楽にしてあげよう。それまで 精々時間を稼いでくれたまえ。」
彼は明らかに何かを企んでいるような含み笑いを見せると何かを呟き始めた。

骸骨はそれぞれバラバラな動きでアレンは翻弄されるも剣で片方の剣を受け止め片足を蹴り上げもう片方の攻撃を受け止め空いている腕を払い足で受け止めている方の骸骨を吹っ飛ばした。そして間合いを再び取りもう片方に攻撃を仕掛け、攻めて、受け止めるが続き背後から先程蹴散らした骸骨が迫る。

アレンは攻める事より回避する事に専念し距離もかなり取り逃げ回った。骸骨達もそれを追うも徐々に動きが鈍くなり最終的には動きが止まり光に包まれた。様子を見ていたアレンはチャンスとばかりに攻め立てようとしたがルイナートが遮るように口を開いた。

「無駄だよ。儀式は成功したのだからな…」
すると次の瞬間骸骨を包む光が一つになり徐々にその光が薄らいで行く。其所には骸骨は一体しかいないが先程とは見た目が打って変わっていて腕は六本ありそれぞれの腕には剣が握られていた。

「そうか、此が骸骨剣士か。強そうだな。骸骨剣士よ後は頼んだぞ。」

「貴様逃げるつもりか!」

「逃げるだと…私には色々やる事が山程ある。それだけだ。また会おうアレン=エクスター!」
ルイナートはヘリコプターの縄梯子に掴まりながら言った。言い終えないうちにヘリコプターは上昇し始めた。

ルイナートが去ってアレンと骸骨剣士が虚しく立っていた。骸骨剣士は襲って来るでもなく構えたまま動こうとしない。

(腕が六本、二刀流の相手が三人分か…何処から攻めても隙はないだろうな。)
アレンがふと考えていると何処からか鎧を着て走る時の「カシャンカシャン」という音がする。

(幽霊か、下らない。)
しかし音は近くなっていき急かされる感じで骸骨剣士を攻める形となった。骸骨剣士は体のあちらこちらを動かし準備体操と言ったところだろう。アレンは隙を見せたと思い剣圧を飛ばしたが六本の腕を器用に使い剣圧を打ち払った。

なら、こうするまでだと言わんばかりに今度はあらゆる方向から剣圧を飛ばした。流石の骸骨剣士も何発かは回避できたが最後の一発は避けきれなくて防御した。其所に空かさずアレンの剣が叩き込まれる。しかし何本かの腕で受け止め残りの腕でアレンに斬撃を加えた。

「く…!」
アレンは腹部を斬られたが何とか傷口を押さえながら距離を取る事ができた。

「助太刀してあげよう!」
何処からともなく上から目線での喋り方をした声が聞こえて来た。

(こんな状態でもああいう奴にだけは助けられたくないな…)

アレンはそう思いつつ再び構えた。すると先程の「カシャンカシャン」という音がしてアレンの横を鎧を着た人影が通り過ぎた。そして骸骨剣士の攻撃を剣と盾で受け止めている。

「何強がっているんだ。少しは素直になってもいいんじゃないかい。」

アレンはその一言で溜め息をついた。

「ボサッとしない。相手は言うまでもなくアンデッドタイプだよ。弱点は炎か回復魔法、どちらでもいいから持っていたら使って!」

(炎か回復魔法か。と言っても風か徐々に微量回復するあれしかないな。)

アレンは何かを呟くと骸骨剣士は白い光に包まれた。骸骨剣士が少し動く度に光が蝕んで行く。

(リジェネか…)
鎧の騎士はそう思いつつ骸骨剣士から離れ距離を取った。

「よし!後は鬼ごっこをして逃げ切れば勝てたも同然だよ。さぁ逃げるよ。」
アレンが「こいつは頭がおかしいな」と思ったのは言うまでもなく呆れた表情を浮かべた。

「こりゃ分かってないな…。今、君が使った魔法はリジェネと言う回復魔法の一種で人間に使えば傷が徐々に回復してアンデッドに使えばその逆で徐々に体力を蝕み最終的には葬り去る事が可能なんだよ。と、そう言う事何だが分かったかい?」

「ああ。」
アレンは漸く状況を理解できたのか骸骨剣士から距離を取り走り出した。

骸骨剣士も二人を必死に追うもリジェネの効果で蝕まれ時折苦しそうにしている。

「ハァ、ハァ、君が陸軍大尉アレン=エクスターか。あれだけ強い魔物相手に彼処まで戦えるなんて凄いな。」
鎧の騎士は走りながらそう言った。

「一応これでも戦闘のプロだからな。」
アレンも走りながら答える
「ソルジャーと言えば戦争で使う機動鎧だよね。あれは個人で所有して早急の様な時に着れるようにはできないのかい。」

因みに機動鎧とは強固な重装備の鎧にモーター類等を取り付け通常の鉄製鎧を装備して動くよりも速く動け冷却性能も兼ね備えた機械式の鎧である。


「下らない組織に縛られているからそれは無理だ。仮に持ち出せたとしてもバレたら然るべき処分を下されるだろう。好きな時に好きな装備で戦える奴が羨ましい。」

走りながら会話をしているうちに骸骨剣士の動きがぎこちなくなってきた。

「10…9…8…7…6…」
鎧の騎士は骸骨剣士の方へ向きカウントし始めた。骸骨剣士も徐々に距離を詰めて行く。

「4…3…2…1……」
鎧の騎士はカウントしたままその場を動かない。だが骸骨剣士はもう目の前まで迫っていてアレンは助けに入ろうとしたがカウントが終わると骸骨剣士の動きが止まりみるみるうちに身体がボロボロと崩れて行った。

「やったのか…」

「そう、君の魔法のおかげだよ。」

「アンタは魔法の知識はあるのに使えないのか。」

「普通は使えないよ。どうして君が使えて僕は使えないのか分からないよ。」

「ところでアンタは俺を知っているようだがアンタは一体何者だ。」

「僕の名はツァイベル=ラディン。しがない軍事オタクだよ。サラバ!」
ツァイベルはそう言うと小走りで去って行った。

「車に戻るか…」
アレンは早歩きで歩きだし車まで戻った。



  DQ&FF 旅の始まり - ティファ・ロックハート (男性) - 2009年06月23日 (火) 09時14分 [923]   
  第4話「伝説の称号を持つ少年とミレイユ。」

昨日は、良く眠れたわ。
バッツさん達は、アルスの家に泊まっている。

まだ、彼が帰って来なくて不安な私。
無茶、しなきゃ良いけど。

今は、自分の心配をした方が良さそうね。
彼もきっと、元気で頑張っているわ。

今日は出発日和、仲間に加わったファリスさんとティナさんを起こす私。
彼女のお酒は、すごかったわ。

あまり、飲み過ぎないようにしてね。
じゃないと、私が困っちゃうから。

「さてと、天気も良いし…この編を歩いてこようかしら。」

暇つぶしにっと思った私は、村の回りを歩く事にしたの。
新たな出会いが、あるかも知れないわ。

私の前に現れたのは、伝説の称号を持つ少年・ルーネスと魔道士・ミレイユ。
何故、彼等がこの村に居るの?

「君はマリベルだね、バッツ達から話は聞いてるよ。」
「初めましてマリベルさん、私はミレイユと申します。」

ルーネスの事は知ってるけど、ミレイユには会った事がない。
初対面の彼女に、何を話せば良いのか分からない。

先に2人を、この村の事を知って貰わなきゃ行けないわ。
そう決心した私は、2人を案内する事にしたの。

私の家や、アルスの家などを話し…彼等は頷く。
理解、早いわね。

「僕がミレイユと知り合ったのは、カオスとの戦いの後なんだ。」
「カオスって、混沌を司る神様の事?」
「うん。僕達は以前、そのカオスを倒し…平和な世界に戻したんだ!」

私にとっては、初めて聞く名前だけど…倒した事は事実ね。
クラウド達の事を聞くと、ルーネスは少し困っている。

聞いちゃ、行けなかったのかしら…。
ごめんね、ルーネス。

ミレイユさん、仲良くなりましょう。
これは、初めての友情に繋がっているわ。

アルスが帰って来るまで、この村は私が守らないと行けない。
とても大変な役目だけど、頑張らなきゃ。

次回「冷静沈着な男・クラウドとザナルガルド出身の男・ティーダ。」
ティナさんは、彼等との再会にどんな反応をするのかしら…。

  訂正 - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年06月23日 (火) 09時16分 [924]   
私、女性なのに…間違えて男性にしてしまいました。
すみません…。
短い文ですが、宜しくお願いします!

  どうも - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月23日 (火) 22時25分 [927]   
こんばんは。久々に書きがてらコメります。

一応表記では「ミレーユ」が正しかった気がしますが、個人的には「ミレイユ」って表記の方が好きなのでどっちでもいいかな。実際のフランス発音では「ミヘイユ」って聞こえますけど。

まあウンチクは置いといて。

まぜこぜ加減がキングダムハーツ思い出しますね。
(でもネズミー関係は出せない現実・・・・・・。)

やっぱりクラウドが出てくるならセフィロスも出てくるの・・・・・・かな? あの曲が好きなんで^^;

では☆

  DQ&FF 旅の始まり - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年06月24日 (水) 07時04分 [929]   
第5話「冷静沈着な男・クラウドとザナルガルド出身の男・ティーダ。」

ティナさん達がこの村に滞在して、2週間が過ぎた。
旅立ったアルスは今、ウータイを回っている。

結構遠い場所に行っちゃったけど、大丈夫かしら。
心配で、溜まらないの。

コンコンっ

誰だろうっと思いながら、ドアを開ける私。

ガチャッ

そこにはチョコボ頭の戦士・クラウドと17歳位の男・ティーダが居た。
彼等が来た事を、ティナさんに報告する私。

「クラウド達が来たの?」
「ええ、今家の前で待っているわ。行きなさい!」

彼等と再会し、クラウドに抱き付くティナさん。
バッツさんほったらかして、何してるのかしら全く。

ルーネスとミレーユさんも起きて来た。
さっきの彼女の一言で、起きちゃったのね。

いつになったら帰って来るの?アルス。
私は今も、旅立った幼馴染の事を心配している。

「でねー、あはは。」
「兄さんらしいな、その一言は。」
「当たり前ッスよ、バッツはティナが好きなんッスから。」

恥ずかしい事を彼に言われ、真っ赤になるティナさん。
彼女をからかってどうするんですか?ティーダさん。

私も、彼等の話に参加する事になった。
時には笑い 怒ったりで彼等の会話は面白い。

これが、仲間って物なのね。
ったく、手紙位寄越しなさいよアルス。

私の村は、とても楽しい。
次は、どんな出会いが待っているのかしら。

  DQ&FF 旅の始まり - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年06月26日 (金) 22時20分 [932]   
第6話「アルス帰還。」

今日は、アルスが帰って来る日。
私は楽しみなのに、ティーダさん達は肉の取り合い。

子供みたいで、恥ずかしいわ。
そんな二人に呆れ、1発ずつ殴るファリスさん。

傍にはバッツさん ティナさんも一緒に居る。
レナさんは、朝から居ない見たい。

何処に行ったのかしら?
無茶、しなきゃ良いけど…。

「これだけあれば、マリベルさんはきっと喜ぶわ。」

彼女は私の為に、花を積みに行っていた。
戻ろうとした瞬間、誰かとぶつかるレナさん。

ドカっ

「ごめんなさい。」
「こっちこそごめんな。大丈夫か?」

はっと驚いたレナさん。
彼女の前に居たのは、私の幼馴染・アルス。

彼はさっき帰還したとこだった見たい。
レナさんは、ぶつかってしまった事を深く反省する。

それからアルスは、レナさんと一緒に自分の家に戻る。
見ない内に、メンバーが増えた事に気付き驚く。

私が許可したのっと話した後、慌てて気絶。
ちょっと、大丈夫!?

気絶した彼の面倒を見るティナさんとバッツさん。
2人が居れば、問題ないわね。

後は、お願いね。
私も、彼等を見習わなくちゃ。

早く、私も旅立ちたいわ。
ティナさん達の世界って、どんな所なんだろう…。

  ぼへ - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月28日 (日) 19時17分 [933]   
アルス君ったらw

でもなんだかんだでどんどんアルスん家に客を押しつけるところがいかにもマリベルらしいです。

それでは☆

  DQ&FF 旅の始まり - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年06月29日 (月) 06時54分 [937]   
第7話「さすらいの旅人・ロックとベレー帽を被る少女・リルム。」

アルスも無事、帰って来て一安心だわ。
彼の帰還を喜ぶティーダさん。

私が気になるのは、ティナさんが何故バッツさんと一緒に居るのかなのよ。
ファリスさんの話だと、2人は兄妹らしいわ。

私も一度で良いから、アルスの妹になって見たかったわ。
でも、上手く言葉に出来ない。

コンコンっ

誰かが来た音。
アルスの変わりに、ドアを開ける私。

ガチャッ

私の前に現れたのは、青いバンダナの人とベレー帽を被った女の子。
バッツさんはきっと、彼を知っている見たい。

「…ロック、なのか…。」
「久し振りだな、兄貴。」

5歳違いの弟との再会に、号泣するバッツさん。
彼の傍で、つられて泣くティナさん。

どうやら彼等は、ティナさん達の知り合いみたいね。
ごめんなさい、私…。

心の中で謝ろうと、涙を流す私を支えるリルムさん。
私より若いのに、どうして仲良くしてくれるの?

「私リルム、宜しくね。」
「うわーめっちゃ可愛いッスね。…どうしたんッスか?クラウド。」
「……何でも無い。」

リルムさんとの初対面に、大はしゃぎのティーダさん。
彼女の登場に、興味がないクラウドさん。

それって、ちょっと酷いんじゃないかな。
彼女は、女の子なのよ。

安心したバッツさんとティナさんは、2階に行く。
緊張した成果、顔合わせたくないのかしら。

「知らなかったな、リルムちゃんがこの村に来てたなんて。」
「ああ、俺も初めて会って分かったんだ。ロックは今…リルムに夢中みたいだな!」

彼はずっと、ティナさんを幸せにすると言い出す。
ティナさんにとって、バッツさんは実の兄。

ロックさんやリルムさんとは、昔の仲間見たい。
ファリスさんはティーダさんを連れて、特訓を始める。

アルスも、少しやる気を出した見たい。
クラウドさんを連れて、洞窟の近くで特訓する。

その間、残された私達は家事手伝い。
リルムさんも加わり、私達は一安心。

アルスのお母さん・マーレさんは笑顔を見せてくれた。
ボルカノさんが漁に出ている間、1人で家事をするのは大変だった見たい。

その頃、アルスの部屋に居る2人は。
何やら、お熱いムードになっている。

どれだけお熱いのかしら、バッツさんとティナさん。
彼が好きなティナさんは、バッツさんと離れたくない見たい。

離れ離れを拒否するティナさんを、抱き締めるバッツさん。
アルスが戻って来たら、再び気絶するわよ。

言ってる傍から、アルスは気絶。
私の注意が、足りなかった見たいね。

次は、どんな出会いが待っているのかしら。
私、少しでも皆の力になりたい。

次回「元気いっぱいの野性児ガウと、金髪の男・ゼル。」
彼等の背は、どれ位違うのかしら…。


  Masquerade 仮面舞踏会 - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月28日 (日) 19時20分 [934]   
  「どうした? ここで終わりか?」
 グラスの猛攻にルーク達は為す術もなかった。
「オレサマも倒せずに父上を倒そうとは片腹痛いぜ!」
 そう笑いながらグラスは大爆発を引き起こす。
「ちょっとカトリーヌ!! なんだってあんな物騒な輩を連れてきたのよ!?」
 あまりに錯乱しており、エルフの女王は丁寧語を忘れて玉座の後ろから怒鳴りつけた。
「わらわも知らなんだ!! グラスが魔王の血筋のものだったとは!!」
 カトリーヌはお付きとともにエンタシスの後ろを取り合っていた。その柱も爆風で吹き飛ぶ。
「エルフの女王! そこをどくのじゃ!! わらわがそこに隠れる!!」
「馬鹿言わないで!! アンタが蒔いた種でしょうが!!」
 エルフの女王はカトリーヌを蹴り飛ばして追い出し、そこへ玉座に火炎が飛んできた。
「キャーーーーー!!」
 その瞬間、二人の女王を庇って、ガイル公爵が盾を持って火炎を跳ね返した。
「ご無事ですか、陛下! 遅れてしまい大変申し訳ありません!!」
「何やってたのよ馬鹿!! 怖かったじゃないの!!」
 そう言いながら女王はガイルに飛びかかり、泣きじゃくりながらその胸に拳を打ち付けた。
「まず陛下はニンフの女王と兵、そして私の部下とともに避難して下さい。私はルーク殿に加勢致します」
「・・・・・・分かりました。カトリーヌと一緒なのは不本意ですが、必ずやあのものを成敗するのです。そしてこの国を守るのが兵士を統率する貴男の役目。必ずや成し遂げるのです! っつーかがんばれ」
 ガイルは連れてきていた部下に指示を出し、お互いにつっけんどんに振る舞う女王二人を案内させた。そして自分はグラスの方へ踵を返す。
「ガイル」
 そこで女王から声がかかった。
「生きて帰るのです。いつものように。っつーか死ぬな」
 ガイルは振り返らずに頷いた。

「人間は大したことねえなあ! もっと楽しませてくれよ! じわじわといたぶって殺したかったのに、これじゃ早く終わっちまうじゃねえか」
 ルークはぼろぼろになりながらも、剣を杖に立ち上がった。マゼンダも引きちぎられた鞭を切り傷だらけの手で持ち、口に溜まった血を吐き出した。
「こんなところで、終わってたまるか!!」
「その通りよルーヌ。こいつを倒して、ゲルグマイアスを倒しに行かないと」
 グラスはまた笑い始めた。
「無駄な願望だな。お前達は揃いも揃って弱すぎる。父上を封印した巫女とお付きの力はそんなものか! 幻滅だな」
 アーサーは血まみれになりながらも杖によりかかり、そのまま頽れた。
「アーサー! 大丈夫か!?」
 ルークは足を引きずって駆け寄り、彼を介抱した。
「ルーヌ・・・・・・」
 荒い呼吸を繰り返しながら、アーサーは自分の顔を覗き込む少女の目を見返す。
「僕よりも、ルルを・・・・・・」
 見ればルルも血まみれのサーベルを片手に頽れながら、恐怖で顔が引きつり、がたがた震えている。
 アーサーはルークの手を振り払って立ち上がり、よろよろとしながらもグラスを睨み据えた。
 ルークはルルの元に行き、震える肩を抱いた。
「みんな・・・・・・死んじゃうの?」
 ルルが焦点の定まらない目でルークに尋ねる。
「ここで終わっちゃうの? あ、あたしたちもみんなもあいつに殺されて、この国の人たちも・・・・・・みんな・・・・・・」
「落ち着け、ルル」
 そんな言葉を聞いてか聞かずか、ルルの怯えは止まらない。
「あたしがいるから? あたしが伝説の巫女だから? あたしのせいなの? みんな死んでいくのはあたしのせいなの?」
「落ち着くんだルル」
 ルルはルークの手を振り払い、錯乱して泣き始めた。ルークはルルをそっと抱きしめてやり、子供をあやすように背中を軽く何度も叩いて落ち着けていた。
「まるで親子みたいだねえ、嬢ちゃん達」
 グラスが嫌な笑みを浮かべてルーク達に近づいてきた。
「安心しろ。まとめて地獄へ連れていってやる」
「それはどっちだか!」
 声のした方へ全員が振り向く。
「ガイル公爵・・・・・・」
 長い銀髪と白く端正な顔立ちはしっかりと魔王子を見据えていた。
「ルーク殿はその子を連れて外へ避難を。やはり子供には荷が重い」
「いえ。私は武人です。祖国とここを守るためにも、敵に背を向けるわけにはいかないのです」
 傷と血にまみれながらも鋭い目つき。武人としてのプライドを失わない少女の姿にガイルは心を打たれ、鼻を鳴らしながら一本の杖を出した。
「これで傷を癒すといいだろう。私の足だけは引っ張るなよ」
 そう言ってガイルは剣を構えてグラスに飛びかかった。
 ルークは全員の傷を杖の祝福で回復した後、ルルをマゼンダに預けた。マゼンダは何も言わないルークの目を見、頷いた。
「アーティー、行くわよ」
 アーサーははっとしてルークの顔を眺めた。
「どこへ? 敵はそこにいるじゃないですか!」
「あとは私と公爵に任せろ。お前は先生とルルと一緒に逃げるんだ」
 アーサーは腕を引こうとするマゼンダの手を振り払い、抵抗した。
「嫌だ!」
「アーサー! いいから行け!」
 アーサーは涙を浮かべながら、マゼンダに引かれてその場を離れた。何度も振り返りながら。
「嘘つき!」
 と叫んで。
「うまく逃げて、みんな」
 少女は剣と杖を携え、ガイルと剣を交えるグラス目がけて一気に駆けだした。

  Masquerade 仮面舞踏会 - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月28日 (日) 19時20分 [935]   
 マゼンダは錯乱して独り言を呟いているルルを抱えながら、時折爆音のする城の方を振り返った。アーサーは俯きながらとぼとぼとマゼンダの後ろをついて歩く。
「ルーヌ・・・・・・無事でいて・・・・・・」
「マゼンダさん・・・・・・」
 不意にアーサーが声をかけた。
「酷い話ですよね。どこまでもついていくって決めたのに、なにかしら理由つけて人をのけ者にして」
 声が震えている。怒りとも悲しみともとれる、声だった。
「しかも人の水浴びとか覗いたから最後まで責任取ってくれるって言ってた、その舌の根も乾かないうちに他の男と共同作業なんて・・・・・・」
 マゼンダは何か言おうとしていたが、アーサーの涙に言葉を失った。
「許されることですか!? 許されて然るべきことなんですか!?」
 それだけ大声を出して彼はそのまま踵を返した。
「ちょっとアーティー! どこ行くの!?」
 アーサーはマゼンダの制止を振り切って走っていき、マゼンダの視界から消えた。
「あの子ったら・・・・・・!!」

「どうした? やっぱりもう終わりか? 口ばっかりだな、人間もエルフも」
 ルークもガイルもぼろぼろだった。少女の顔は血のないところを探すのが難しい。公爵の美顔も血と火傷で爛れてきている。それでも目から失われない光にややグラスは不満げだった。
「何だ? その目は。これから死にゆく者は絶望に打ちひしがれた目をしているもんだぜ? 命を乞いながらな」
 そう言いながらグラスは、ルークが振り上げようとする杖を蹴落とし、扉付近まで蹴り飛ばした。
「命を乞う相手は杖じゃねえだろ? 言ってみろよ。『命ばかりはお助け下さい』ってよ」
「お前なんぞに頭を下げるくらいなら、死んだ方がマシだ!」
 グラスは口笛を吹きながら、おどけた様子で感服した、と嫌味を言った。
 スキをついて斬りかかろうとしたガイルをグラスは回し蹴りで倒し、剣を落としたその腕を踏みつける。
「面目丸つぶれだな、ガイル。これでエルフ界一の剣豪とはよく言えたもんだぜ。幻滅したな」
 グラスはガイルの襟を掴み、ルークの隣へ投げつけた。
「それじゃ楽にしてやろうか」
 グラスは二人に向けて手をかざした。
「仲良く死ぬがいい。地獄はこれほど冷たく暑い所なんだぜ」
 冷気がグラスの片手に集まる。もう片方の手には巨大な炎が渦を巻いて現れた。扉から入ってくる来訪者に気づかず。
「舞踏会は終わりだ!」
 両手を振り下ろしたのとほぼ同時に、二人は目をつぶった。
 しかし、自分たちのものではない叫び声が聞こえてきた。二人が目を開けると、そこには見慣れた後ろ姿と、のたうち回るグラスの姿。背中を向けていた人影は大きくため息をつき、振り向いた。
「アーサー・・・・・・!」
 ルークがその名前を呼んだ。アーサーは扉までグラスに蹴飛ばされたはずの杖を二人に振りかざした。二人の傷がみるみる回復していく。
「なぜ、戻ってきた? 先生とルルと逃げろって言っただろ!」
 アーサーはしゃがみこみ、ルークの頬をはたいた。
「嘘つき!!」
 その目には涙。ルークは何も言えなかった。
「どこまでもついていっていいって言ってくれたのに! 最後まで責任取ってくれるって言ったのに! 何でそうやってのけ者にするんだよ! なんで自分だけで背負おうとするんだよ! ちょっとばかり腕っ節が強いってだけで!」
「アーサー・・・・・・」
「これは君だけの戦いじゃない!! 僕だって、君に守られるばかりなんかじゃないんだから!」
 泣きじゃくるアーサーを、ルークはそっと受け止めた。その頭を撫でながら。
「なかなか・・・・・・泣かせるねえ」
 アーサーに跳ね返されたらしい魔法を喰らって倒れていたグラスは、ぼろぼろになりながらも笑みを浮かべ、起きあがった。
「だが残念だ・・・・・・。ここでお前達は死ぬ! 舞踏会は血の宴で終焉を迎えるんだ!」
 ルークとアーサー、ガイルは立ち上がり、それぞれ武器を拾う。
「杖の扱いなら僕に任せて。二人を援護します。危なくなったら来て下さい」
「分かった」
「感謝する」
 ガイルは拾った剣を構え、グラスに斬りかかった。ルークも同じく剣を構えながら言った。
「無理をするなよ。自分の身が危なくなったら、私たちに構わず逃げていい」
「そんなこと、するわけないでしょう? 散るときは一緒」
 ルークはふっと微笑み、グラスのほうへ向かっていった。

 マゼンダはルルを抱えながら一人困っていた。アーサーは追って行きたい、だが錯乱して今にも自殺しかねない少女を置いても連れても行けない。一人でその場をぐるぐる回っていると、声が聞こえた。
「・・・大体貴女が騙されるのが悪いのではございませんの!? 明らかに怪しい男に騙されて、こんな事態にまで発展したのでしょう!? っつーか責任取れ」
「それでわらわにどうしろと申すのじゃ!? 確かにグラスが魔族と見抜けなかったのはわらわの非じゃ! それは認める! じゃがあやつがそもそも近づいて来なければこんなことにはならなかったのじゃ! 従ってわらわのせいではない!」
「それでも国家元首ですか!? っつーか女王失格!」
 二人の女王は相変わらずで、マゼンダはほっとしたのと同時に二つの種族の行く末が不安になっていた。マゼンダは二人のもとに来る。
「ご無事でしたのね、女王様方」
 エルフの女王はマゼンダに生返事をした。
「あら? 他のお二人は? まさか・・・・・・!!」
「ええ、未だあのお城に。私はこの子を連れて避難するのに精一杯で」
 エルフの女王はルルを見るや、様子がおかしいことに気づいた。
「どうしてこんな風になるまで戦いを? この子はまだ子供じゃないですか。可哀想に、死を目前にして心を痛めつけられたのだわ。っつーか自失」
「ええ、話せば長くなるのですけど」
 その時、また城の方から爆音が聞こえた。マゼンダは女王の方を向き直し、早口で言った。
「今は話している時間がありません。私も行かないと! この子をお願いします!」
 そう言ってマゼンダはルルを女王に半ば押しつけ、立ち去ろうとした。
「お待ちなさい」
 女王に呼び止められ、マゼンダは足を止めた。
「そんなちぎられた鞭を持って戦うつもりですか? それよりもこれをお持ちなさい。ってゆーかもってけドロボー」
 そう言って女王は持っていた三つ叉の鞭を差し出した。
「これは昔数々の英雄達が使ったとされるものです。貴女になら使いこなせるかも知れません」
 マゼンダはそれを受け取り、礼もそこそこに足早に去っていった。
「良いのか? 家宝だと言って居ったじゃろうに?」
 カトリーヌがそれとなく尋ね、エルフの女王は頷いた。
「わたくしには戦いは向かないことが分かったのです。いざというときのためにそなえ、あの鞭を持て、という先祖代々の教えでした。ですが、もし彼女たちが平和をもたらすことがあるならば、必要はないものです。っつーか宝の持ち腐れ」
「じゃが、もしあの者達にそこまでの能力がなかったら? ただの人間じゃぞ!?」
 エルフの女王は被りを振った。
「あの者達に出来ないのなら、わたくしにも出来ません。そんな気がするのです。っつーか絶対無理」
 そういうものかのう、とカトリーヌはため息をついた。

  セ・ラ・ヴィー ラ・ヴィー・アン・ローズ - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月28日 (日) 19時25分 [936]   
やっと続きが書けたと思ったら長引きそうなグラス戦。
終盤で突然強くなっちゃいました。ってことはラスボスこれ以上に引っ張らないといけないのか・・・・・・。どんだけ〜!?

オリジナルドラクエの弊害と諸々を実感しつつ続きます・・・・・・(-_-;)


  薔薇薔薇なやつら・夏編 - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月23日 (火) 21時07分 [925]   
   夏というより梅雨時の某大学。愛の相談室・薔薇部の部室にて、太田は自身のメモ帳を眺めながらニヤついていた。端から見ていればその美顔のせいでニヤついているようには見えない。さしずめ「今日はどこで誰と遊ぼうかな」といった、無邪気なことしか考えていないと思われるだろうが、彼女が考えているのは先輩を対象とした「萌えシチュエーション」である。
 突然牧野が現れたため、彼女は慌てて手帳をしまった。
「お疲れさまです、牧野先輩」
「こんにちは。あれ? 一人? サボリ部長とガキんちょ大学生はともかく、ホスト先輩と妙にノリが軽い先輩はいないの?」
 口が悪いな、と思いつつ太田は答えた。
「まだ来てないみたいです。でもお客さんも来てないから大丈夫なんじゃないですか?」
「そうか。まあいつものことだからいいけどさ。俺もサボってやろうかな」
 その矢先だった。ノックの音が聞こえてきたのは。
「はい、どうぞ」
 入ってきたのは恐らく留学生だろう、いかにもな金髪のヨーロッパ人だった。
「Can I enter here? (入ってもいいですか?)」
 二人の表情が固まった。
「Here, you speak English or...... any European language, I heard. (ここで英語か・・・・・・ヨーロッパの言語を話せるって聞いたんですけど)」
「えっと・・・・・・太田さん、こういう場合どうしたらいいと思う?」
「えっと・・・・・・そういえばここインターナショナルがウリでしたね。先輩とりあえず英語で聞けばいいんじゃないですか?」
 牧野は眼鏡を突き破るかといった勢いで目を丸くした。
「無理無理無理!! 俺英語とかマジ無理!!」
「コンピューターなんて横文字ばかりじゃないですかっ!!」
「あれは別に単語の頭文字の羅列がほとんどだし!! 単語一個一個の意味なんて分かんないし!」
 来客はしどろもどろになっている。
「えっと・・・・・・う、ウェイト ア ミニット、プリーズ。アー、メイビー イングリッシュ スピーカー ウィル カム(ちょっと待って下さい。英語喋る人が来ると思いますので)」
「Sure, thank you.(分かりました。ありがとうございます)」
 彼女はとりあえず椅子に座り、俯いて待っていた。
「っていうか太田さん英語出来ない?」
 牧野が太田の元に舞い戻り、すがるように尋ねた。
「・・・・・・やるだけのことはやってみます」
 胸を張って外国人に近づく太田に、牧野は小さく拍手を送った。
「アイ キャント ヘルプ ラビング ユー(意味はヤバいので自主規制)」
「Huh? (は?)」
「し、シルバーケイオス(同じく自主規制)」
「Pardon?(何?)」
「ストラグルビローミー(はたまた自主規制)」
「What do you want to say ? (何が言いたいの?)」
 太田は牧野の元に戻り、きっぱりと言い放った。
「やるだけのことはやりました」
「そうかー・・・・・・」
 二人が落胆していると、岸田が相変わらず飄々とした様子で入ってきた。
「よっ! 今日は二人だけか。邪魔したな」
 帰ろうとする岸田を牧野の手が阻止し、客人の前に据えた。
「先輩! 英語話せませんか!? 俺も太田さんも全然ダメなんです!」
 その太田はその様子に笑みを浮かべながら、手帳を取りだしてメモを取り始めた。
「英語? なるほど」
 岸田はポンと手を打ち、そのままドアに向かっていった。
「なんとかがんばれ後輩! 俺は逃げる」
「逃がすかぁっ!!」
 牧野は岸田の足を掴み、はり倒して部屋の奥へと引きずっていった。
「痛てえよ、牧野くん〜、これ拉致だよぉ〜」
「一人だけ逃げようったってそうはいきませんよ。お客様じゃないですかっ!!」
「そんなの、真田っちに任せればいいじゃん〜。それか金城ー」
 牧野ははっとした。
「そうだ、真田を電話で・・・・・・」
 そういいつつも牧野は電話をかけながら、パソコンのコードで岸田を椅子に縛り付けていた。
「・・・・・・出ない・・・・・・」
 牧野が青ざめた瞬間だった。
「とりあえずメールだ!!」
 その矢先、薔薇を背負って金城が豪華に現れた。
「今日もエレガントに行こうぜ〜」
「先輩っ!!」
 金城は嫌な予感がしていた。目の前で眉毛を八の字にしている外国人と、椅子に部長専用パソコンのコードでぐるぐる巻きにされている岸田、すがるような顔の牧野と太田の視線に。
「先輩、英文学専攻ですよねっ!?」
「あ、ああ」
「大学院行くんですよね?」
「あ、うん。一応」
「それじゃ、よろしくお願いします」
 牧野にドアを塞がれ、逃げ場を失った金城は引きつった笑顔で外国人の方を向いた。美人だとは思ったが、彼はかつて外国人女性と話したことは一切なかった。金城は目を泳がせながら、女性に語りかけた。
「ウェッカットゥアークラッ(Welcome to our club、ようこそ我々のクラブへ、のつもり)」
「What ? (え?)」
 金城は更に顔が引きつってきた。
「ウェッカットゥアークラッ!」
「Sorry, I don't understand you. (ごめんなさい、あなたの言っていることが分からないわ)」
 金城はヤケになり、
「ウェッカットゥアークラッ!!」
 と怒鳴ってしまった。
「Please speak English or Spanish ! I heard that you speak any language, but you don't ! OK, I'll go ! (英語かスペイン語で話してよ! あなたたちどんな言語も話せるって聞いたのに、話せないじゃない! もういいわ。私行きます)」
 帰りかけようとした彼女を引き止めつつ、牧野は金城の腕を引っ張った。
「先輩、なんなんですか? 今の」
「俺英語の文学作品は読むけど、リスニングと発音が出来るなんて言ってないぜ?」
 牧野は金城に大外刈りをかました。
「何でもいいから真田早く来いよ〜!!」
 牧野は真田に「早く来い」メールを連続で何通も何通も送りつけながら、血の涙を流す勢いだった。

 一方そのころ真田は図書館でドイツ語の文献に読みふけり、時間が経つのを忘れていた。彼の携帯は語学勉強の時は集中するため電源が落ちており、一切の連絡拒否状態なのである。彼に連絡がつくのは、勉強に飽きたときのみ。
 一番嫌われるタイプだ。

「さなだぁ〜〜〜〜!!」

 部室で牧野の悲鳴がこだまする。

  薔薇薔薇なやつら・夏の章 - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月23日 (火) 22時18分 [926]   
 絶望。牧野は燃え尽きたように座り込んで現実逃避を始めた。
「あはは〜☆ お星様が飛んでるよ、飛んでるよ〜」
「あれは末期だな。とうとううちのブレインが壊れてしまった」
 金城にコードをほどいてもらいながら(当然その様子に太田は萌えていた)、岸田が呟いた。
「っていうか中村は何してんの?」
「今更ユーレイ部長の心配なんかするなよ。どうせ今日もサボリだろ?」
「それじゃあの子、やっぱり帰らせた方が・・・・・・」
 客はしきりに時計を気にしている。全ての部活の活動時間だから授業はそうそうないはずだが、とどめて置くのも悪い。
「それじゃ『やっぱり帰っていい』って、なんて言えばいい? ・・・・・・ってお前の発音じゃ聞いても分からんな」
「ここは筆談するか」

 「帰っていい」の一般的な書き方→You can go out, sorry.
 金城の書き方→ If she wants to, before the sun sets, a butterfly can fly to her favorite flower following the wind. (望んだことであるならば、日が沈む前に蝶は風に乗り、最も愛する花のもとへ飛ぶことができる)
「What do you want me to do with it ? (これがなんだっていうの?)」
「岸田、ダメだ。彼女には俺の詩の意味を理解できるほどの知能がない」
「お前の文章能力の問題だと思うが」
「やはり俺の詩的センスは天才的すぎて凡人には理解できないか。やれやれ・・・・・・」
 金城は牧野のように座り込んで落ち込み始めた。
「どうします? もうまともに考えられるの私たちだけみたいですけど」
「だな。真田っちどこで何を・・・・・・」
 その時ドアの開く音がした。二人は目を輝かせて目をやったが、現れたのは中村だった。二人は落胆する。
「何だ? 珍しく来てやったのに歓迎されてないじゃん。ってかこれどういう状況?」
 もの悲しそうな顔をする外国人女性と、座り込んで頭がどうかなっている牧野、同じく座り込んでぶつぶつと呪文のように独り言をしている金城、そして立ったまま落ち込んでいる岸田と太田。
「いや、いいんだ。真田じゃなかったのが残念だっただけで・・・・・・」
「真田? あいつなら図書館でカリカリやってたけど」
 しばしの沈黙。
 そして罵声。
『だったら呼んでこい!!』
「え? 俺が?」
「早く!!」
 と言っている間にまたドアの開く音。入ってきた主は一瞬のけぞった。憂いを帯びた表情の外国人女性と、座り込んであっちの世界へ行っちゃっている牧野、同じく座り込んで暗い世界へ入り込んでいる金城、そして鬼の形相でこちらを睨み付ける岸田と太田に胸ぐらを捕まれている中村を見て。
「・・・・・・間違えました〜」
「いや待て!!」
 帰りかける真田を、岸田が引き止めて部屋へ引っ張り込んだ。

「あ〜、そういうことだったんですか〜。それは大変でしたね〜」
「他人事ですか〜? 真田君〜?」
 復活した牧野は真田のこめかみを、中指の第二関節でグリグリ痛めつけた。
「痛い痛い! やめろよ牧野〜!」
「お前がちっとも電話に出ないからこっちは死ぬような思いだったんだぞ〜?」
 金城まで真田の頬をつねりだしている。
「やめてくださいよう〜、痛いよう〜、誰か止めてよう〜」
 真田が泣きそうになったため、中村が二人を止めた。やはり太田が過剰反応。
「とりあえず通訳頼む」
 岸田の言葉に真田は頷く。
「Forgive us for having left you waiting. They don't speak English, then, I will help you. What's your favor? (待たせてしまってごめんなさい。この人達英語が話せないから、俺が聞きます。どうかしましたか?)」
「I heard that here I can speak english or spanish, but it doesn't seem to be the place. (ここで英語かスペイン語が話せると聞いたんだけど、違ったみたいね)」
 ここで真田が言語を変えた。
「ア、スィ? タルベス エス オトロ クアルト。アキ エス エル クアルト デ ヌエストロ クルブ。ペロ スィ キエレス、ジョ プエド アブラール コンティーゴ エン エスパニョール(あ、そうなの? 多分違う部屋だね。ここは俺らの部室なんだ。でも良かったら一緒にスペイン語で話せるけど)」
 女性は笑顔で答えた。
「スィ? プエデス? グラシアス、ペロ テンゴ ウナ スィタ コン ミス アミーガス。ロ スィエント。(ホントに? 話せるの? ありがとう、でも友達と約束してるの。ごめんなさい)」
「ノ アイ プロブレマ。 ノ テ プレオクーペス、グラシアス(いや問題なしだよ。気にしないで。ありがとう)」
「プエス、アスタルエゴ(それじゃ、さようなら)」
「アスタ ラ ビスタ(さようなら)」
 そう見送った後で、部室内に拍手が湧き起こった。
「すげ〜! 今の何語?」
「え? スペイン語。あの子スペイン出身だよ。知らなかった?」
「でも英語通じましたよね。なんだったんですか?」
 えっと、と真田は思いだして言った。
「なんか外国語喋れるところと勘違いしてたみたい。でも英語も通じるのに誰も喋れなかったの?」
「全くだな」
 部長の横やりに、真田以外が目を見張った。
「それじゃ部長、喋れるんですか?」
 牧野の怨みの籠もった視線を涼やかに返し、中村は言った。
「俺、英検2級持ってるけど」
 真田も頷く。
 その他は皆、呻きながら座り込んだ。

  ふわ〜 - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月23日 (火) 22時27分 [928]   
最初から部長さんに頼めば良かったオチ。
文中スペイン語をカタカナで書いているのは特殊記号が出せないからです。ハテナマークの逆さまとか、アクセントとか。
あと、間違っても腐女子・太田の英語を訳してはいけません。訳しても間違えて訳して下さい。
あと、ルーヌの方がちっとも進まないのは許して下さい。グラスの倒し方が浮かばないんです。気分的にはボスを倒すのに手間取るRPGゲーマーです。

いつかはドイツ語とかフランス語にも挑戦したいです。真田君を依り代に。

では。

  Re; - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年06月24日 (水) 22時25分 [930]   
うーん、最後まで読みましたが全然知らないですね。
これって、どういうアニメなんですか?
いつも、私の小説にコメントして頂きありがとうございます。
初めてのコメントで申し訳ありませんが、引き続き 宜しくお願いします。

  ありがとうございます - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月25日 (木) 21時43分 [931]   
すみませんが、完全オリジナルです。
あともう一本こちらでオリジナルのドラクエも書いてますし、かつてはハロウィン限定ゴシックコメディも書いてました。

それでは♪







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