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ドラゴンクエスト・ファイナルファンタジー小説投稿掲示板


ここは小説投稿掲示板だ。
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーまたはその他(アニメ、ドラマ)などでも、楽しそうな小説やストーリー、
詩、日記などがあったらとにかく書き込もう。
他人が見ておもしろいと思った内容、自分が思いついた内容があったら、とにかくどんどん投稿してみてくれい。

(注)最近ここをチャット代わりに使われている方がたくさんいます。
チャット代わりに使われますと、せっかく一生懸命小説等を書いた方の内容がすぐに流れて見れなくなってしまいます。
ここは小説やストーリー、詩、日記などを書くところですので、チャットはこちらにてお願いいたします。

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  DQ&FF 旅の始まり - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年06月21日 (日) 11時57分 [918]   
  こちらでは初めまして。
ドラクエとFF関係の小説を書こうと思います。
宜しくお願いします。

第1話「マリベルとティナとバッツ。」

ここは漁村の村・フィッシュベル。
航海日和でとても天候が良い私は、幼馴染のアルスと一緒に旅を続けている。

旅の途中、板のような物を見付けたの。
それは石版と呼ばれていて、全てを揃えると過去に旅立つと言う噂を聞いた事があるの。

その石を取り出そうとした瞬間、魔道士のような格好をした女の子が倒れている。
何者かしら?この子は。

私達はその女の子を連れて、一度村に戻る事にしたの。
アルスはお母さんに頼まれた事があると言って、彼女の見張りを私に頼む。

…本当に、ついてないな。

「うっ…。」
「気が付いた?」

良かった、目を覚ましてくれて。
私は昨日から、彼女の面倒を見ている。

それから数時間後、20代位の青年が私の家に来た。
彼は、この女の子の事を心配している。

「ティナ!」
「バッツ、ごめんなさい。心配掛けて!」
「馬鹿野郎、皆待ってたんだぞ。…ロックがな、とっても心配してたんだ。でも、俺だって…!」

私から見ると、この2人はとてもお熱い。
アルス、こっちは大丈夫よ。

彼はすぐに、私に感謝してくれた。
お互いの名前を良い、すぐに仲良くなれたの。

バッツって言うのね、とても良い名前だわ。
私の幼馴染も、これ位しっかりして貰わないと困るわ。

今は、あまり無理しないでねティナさん。
今夜は彼と一緒に、私も居るから。

先の事は考えず、今は彼女を休ませる事に専念する。
もう、バッツさんに心配を掛けちゃ駄目よ。

  DQ&FF 旅の始まり - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年06月21日 (日) 12時13分 [919]   
〜登場人物紹介〜

DQVII

アルス
マリベル

DQVI

ミレイユ
バーバラ

Final Fantasy V

レナ・シャントット・タイクーン 年齢;19
ファリス・シェルヴィッツ    年齢;20

Final Fantasy VI

ロック・コール          年齢;25
エドガー・ロニ・フィガロ     年齢;27
マッシュ・レネ・フィガロ     年齢;27
セリス・シェール         年齢;18
リルム・アローニィ        年齢;10

Final Fantasy VII

ティファ・ロックハート       年齢;20
バレット・ウォーレス        年齢;35
シド・ハイウィンド          年齢;31

Final Fantasy VIII

リノア・ハーティリー       年齢;17
ゼル・ディン            年齢;17

DISSIDIA Final Fantasy

セシル・ハーヴィ  Age;20
バッツ・クラウザー Age;20
ティナ・ブランフォードAge;18
クラウド・ストライフ Age;21
ティーダ Age;17

以上です。
他にも出して欲しいDQ FFキャラが居ましたら…書いて下さい。

  DQ&FF 旅の始まり - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年06月21日 (日) 15時54分 [920]   
第2話「光と闇の力を持つ騎士・セシル。」


あれからバッツは、私の変わりにティナを看病している。
こんなに汗書いちゃって、アルスともこういうのは出来る
のかしら。


その夜、私は星空を見上げている。
私の思いを、アルスに届いて欲しい。


Final Fantasy VIより「アリア。」

♪愛しの 貴方は そこにいるけど
 届かない この思い 近くに居ても♪
 
♪私は  貴方と  ずっと一緒に
 旅立ちも 旅の日も 一緒に居たい♪

♪2人で 一緒に 歩きたいの。
 別れは 嫌なのよ 離れたくない♪

(間奏)

♪私の 愛する人 それは貴方よ。
 離れても 貴方は 私を守るわ♪

♪私も  貴方を   離さないわ。
 お願い 私を    残さないで♪

私の歌が、アルスに届くと嬉しいわ。
あの時だって貴方は、私を傍に入れてくれたもの。

今は、2人で共に行こう。
そしていつか、幸せになりましょう。

そして次の朝…
バッツが突然、私に何かを伝え始める。

「マリベル、大変なんだ。ティナが…。」
「ティナさんが、どうしたの?」
「すごく苦しそうなんだ、見てくれ!」

私が駆け付けると、ティナさんは何かに苦しんでいる。
これはまさか、どうしてこんなことに?

彼女は私達を襲いかかって来た。
その彼女を止めたのは、とても優しい騎士。

「バッツ、無事だったんだね。」
「セシル、助かったぜ。」

彼は、バッツ達の仲間だったのね。
後一歩、貴方が来るのが遅かったら私達は殺されていた。

…何演技でもない事を、言ってるのかしら私は。
でも、ティナさんはようやく安定した状態に戻ったの。

アルスが駆けつけて来てくれたけど、心配はないと彼に言う。
ショックを受ける彼を、私は支えた。

もう、何処にも行かないでね。
私は、貴方と一緒に居たいの。

  初めまして〜 - ベールゼブブ (男性) - 2009年06月21日 (日) 19時02分 [921]   
久々に来てみたらお初な顔が(顔?)

初めまして、ここでは二つぐらい同時進行していた(過去形なのに注意)者です。

DQとFFのミックスですね。しかもなんかマリベルが乙女ちっくでかわいすぎるw

近々同時進行の新しい方書く予定なのでそのときはよろしくお願いします。

それでは☆

  コメントありがとうございます。 - ティファ・ロックハート (女性) - 2009年06月22日 (月) 22時29分 [922]   
ベールゼブブさん
初めまして、こちらこそ宜しくお願いします。
はい、今回のマリベルは乙女チック風に書きました。
7の本編だと、わがままな所があったので…女らしい性格にしました。
引き続き 宜しくお願いします。

第3話「女船長・ファリス。」

セシルさんが加わり、旅も少しずつ楽しくなって来た。
村に戻り、宴を行う。

バッツさんとセシルさんは、お酒が飲める年齢だけど…私達には、まだ無理見たい。

アルスと早く再会したいけど、彼は今何処にいるのかな?
一度彼はこの村に戻った後、また何処かへ旅立ってしまった。

一言位、感謝しなさいよ。
本当に、馬鹿なんだから。

祭りを楽しみ、夜空を見上げる私。
アルスの事を思い、溜め息を付く。

「何を溜め息してるの?」

私に話し掛けて来たのは、20歳位の女性。
自分の正直な気持ちを、彼女に話す。

こんな事言ったら、きっと怒られるわ。
そう思った私は、少し不安だった。

「アルスの事を心配してるのね?それはとても良い事なのよ!」

怒られてた訳じゃないのね、何だか嬉しいわ。
彼女は自分の名を名乗り、私に質問する。

お互いの名を知り、仲良くなった私達。
再び、穏やかな旅が出来るわ。

アルスと再会までは、少し遠い。
必ず、貴方を見付けるからね。

次回「伝説の称号を持つ少年とミレイユ。」
ルーネスったら、何彼女の前で緊張してるのよ!


  アークブレード - 漆黒の騎士 (男性) - 2009年04月30日 (木) 16時29分 [916]   
   重々しく構える門構え。白く大きく立ちはだかる建物、それこそがレギュウム総合化学研究所である。アレンは徐々に建物との距離を詰めて行く。すると重々しさを感じさせる扉があり扉の右側の壁にはチャイムがある。そしてそこには「御用の方はチャイムを鳴らして下さい」と書かれていてアレンはチャイムを鳴らした。

「はい、どちら様でしょうか。」
ドアの向こうから応対する若い男の声が聞こえてきた。

「私は陸軍大尉アレン=エクスターです。今日は総司令官の代わりに参りました。」

「少々お待ち下さい。」

アレンは暫く待つ事になりその場に立ちながら待つ事にした。


 ━━━


「フン!雑兵を代わりによこすだと、全く貴方と言うお方は何を考えているんだ。大体メールで送った内容にも総司令官殿に来て下さいと書かれていると思うのだが。」
白衣を着た金髪の男が部屋の一室で電話で話をしているが激しく激高しているようだ。

「仕方ないだろう。今は忙しくてそっちに行けなくなって代わりの者をよこすからそいつの為にこうやってアポを取ろうとしているんじゃないか。」

「私の優れた研究の結果など頭の悪い雑兵に理解が出来る訳がない。だから総司令官殿、貴方でないと話にならないのですよ!」

「頭の悪い雑兵とは心外だなぁ。今回は陸軍大尉アレン=エクスターという男をそっちに行かすのだがお前さんも彼の噂は知っているよな。」
電話の向こうで総司令官は相手がどんなに怒っていようともだるそうな喋り方で答えた。

「私は研究で忙しくてそんな奴知らないな。」
白衣を着た金髪の男は思い出す素振りもなく即答でそう答えた。

「そうか。じゃ、説明させてもらおうか。陸軍大尉アレン=エクスターは18の時にガソリンスタンドで働いていてある日突然軍に入隊しないかと誘われ軍人となった。誰もが士官学校を卒業していない彼を罵ったが彼は入隊試験の全ての項目を難なくクリアしたそうだ。晴れて軍人となった彼はめきめきと力を付け異例の早さで出世をしていった。そして何よりも凄いのは戦争等の実戦で自分の隊の兵士をどんな事があっても一人の犠牲も出さないと言った所だな。ルイナート、お前の様に学術に長けている訳ではないがそう言った点では切れ者だとは思わないか。」

「フン!要するに兵士は兵士でも私の研究を無駄にしようとする不届き者が来るって事だな。百聞は一見にしかずと言う事で一度は顔を拝んでおくか。」

「承諾してくれたのだな。」

「ああ、今回だけだからな。」

「よしっ頼んだぞ。」

「フン!」

「相変わらずだな。じゃ切るぞ。」
受話器の向こうで総司令官が電話を切った。

「…陸軍大尉アレン=エクスターか。」
白衣を着た金髪の男も受話器を本体に戻し深い溜め息を吐きそう呟いた。

 ━━コンコン

まるでタイミングを計ったかの様にドアをノックする音がした。

「何だ。」

「陸軍大尉アレン=エクスター様がお越しになりました。」
白衣を着た青年はドア腰にそう言った。

「丁重にお迎えしろ。」

「はい!」


 ━━━


少々お待ち下さいと言う割にアレンはかれこれ10分以上待たされていた。何時になったら入れるのだろうかと思いつつ待っていると重々しい扉がギィと音を立てながら開いた。

「お待たせ致しました。どうぞお入り下さい。」
先程の声の主が立っていてその後ろには白衣を着た金髪の男が立っていた。

「君はもういい、自分の研究に戻りたまえ。後は私に任せるといい。」

「はい。」
白衣を着た青年はそう言うと白衣を着た金髪の男に一礼しその場を去って行った。

「コホン、私の名前はルイナート=ケビン、この研究所の所長だ。君はアレン=エクスターだね。」
ルイナートは咳払いをすると自己紹介し、アレンにアレンである事を確認した。

「はい、私が陸軍大尉アレン=エクスターです。今日は総司令官の代わりに参りました。」

「うむ、そうか君がアレンか。話は総司令官から聞いているよ。さぁ、ついて来るといい。」
ルイナートはそう言うとそそくさと歩き出した。アレンはその後ろをついて行く様に歩き出した。

「アレン、君は何故スタンドマンから兵士になろうと思ったんだい?」

「(!?何故あの所長がそれを知っている。総司令が喋ったか…)分かりません。気が付いたら兵士になっていました。」

「そうか。じゃあ入隊試験で全ての項目をクリアしたって言うのは本当かい?」

「はい、事実です」

「何か苦手な項目が一つ位はあったよね。」

「学科は苦手ですがあの時はなくてラッキーだと思いました。」

「ははは…そうかい。」
ルイナートは思わず苦笑いをした。

「所で所長は何故化学者になろうと思ったのですか。」
「幼い頃に一冊の化学書に出会って自分の知らない事が沢山あってどれも興味が湧く内容で私はそれらの謎を全て解明したいと思ったから化学者になったんだよ。」

「ちなみに所長は化学者になってその本に描かれていた謎はいくつか解けましたか。」

「う〜ん、そうだな…皆が怪物と呼んでいるあの魔性の者達だが奴等は元々この地球(ほし)に住んでいた訳ではない。他の惑星から来た侵略者だ。最も太古の昔にその親玉が降って来てこの地球(ほし)を侵略しようとしたがそれを阻止しようとした神との戦いで引き分けたそうだ。その後両者の消息は不明だが魔性の者達が未だに襲来してくるあたり親玉はまだ滅んではいないのだろうな。」

「そうなんですか…」
この話を聞いてアレンは一瞬ハッとした。

「ま、あくまでも推測の域だがね。」

「いいえ、推測何かではないと思いますよ。現に私も何回か魔性の者とは戦った事がありますから。」

「そうか。だが奴等が何処から来るかって事はソルジャー共でも分かっていないのだろう。」

「はい、依然として分かりません。けれどソルジャーは随所に配置され巡回しているので今の所一般人が被害に遭う事はありません。」

「クックック…お前らソルジャーならそう言うと思ったよ。これだから凡人は…」
ルイナートは人が変わった様に突然冷めた笑い方でそう言い放った。此が彼の本性なのであろう。

「では貴方は奴等を見つける画期的な方法でもあると言うのですか?」
アレンは笑いながら言ったつもりだが目だけは笑っていなかった。

「………」
ルイナートは何も言い返さなかったが密かに不敵な笑みを浮かべていた。そして暫くの間沈黙が続き施設内を歩く二人の足音だけが虚しく響いた。

(こいつは現場で奴等と戦った事もないくせに偉そうにしやがって頭に来るな…)
アレンはそう思いながら握り拳をぎゅっと締めた。

施設内に響き渡る二人の足音は暫く続いたかと思えば急に止まった。それはある部屋の前に来てルイナートが立ち止まったからである。その部屋は押したり引いたりするドアではなく入り口の左側にはカードキーを入れる溝がある電子機器が備え付けられておりカードキーを溝に通せばドアが開く仕組みのようだ。

「さあ、此所だ。入りたまえ。」
ルイナートは白衣のポケットからカードキーを取り出し溝に通しドアが開いた。そして二人は部屋の中へ入りルイナートが部屋の電気をつけた。部屋はとても広く本格的にサッカーが出来る程のスペースであるが不自然に物が何一つも置いていない。

「忘れ物を取りに戻るから君は其処で待っていたまえ。」
ルイナートはそう言うといそいそと部屋から出た。其はまるで何かを隠しているかの素振りにも見えた。

アレンは何もない部屋に一人取り残された状態になった。部屋を見渡しても何もないが上を見上げると天井は吹き抜けになっている。一体何の為にある吹き抜けかはアレンには知るよしも無かった。そして今度はいざと言う時の脱出方法を探る為にドアの開閉を確かめようとしたがドアの前に立っても開く気配がない。内側からはカードキーは使えない構造でどうやら外側からカードキーで閉められたようだ。

アレンが溜め息を吐いていると上の方から音がした。その音はエレベーターの様なもので何かがそれによってアレンの居るフロアまで下降して運ばれようとしている。思わず上の方を見上げると上の方からスピーカーから聞こえる耳障りな音がして聞き覚えのある声がした。

「アレンよ、今、物流エレベーターが下降しているがこれから君には私が研究により蘇生させた骸共と戦ってくれたまえ。クックック……!」
ルイナートが言い終えると物流エレベーターによって運ばれた傷だらけの二人組の男が無言でそこに立っていた。二人組がエレベーターから降りるとエレベーターは上昇を始めた。

(二人を同時に相手にするのか…)
アレンはそう思いながら剣を鞘から抜き構えたが二人組は構えたと思いきやアレン等相手にせずに一目散に壁の方へ目掛けて走り出した。

「お前ら誰のお陰で生きていると思っているんだ!少しでも恩があると思うなら私の言う通り奴を殺せ。」
上の方からルイナートの叱責の声が響くが二人組は聞いている様子もなくただひたすら壁を殴ったり蹴ったりを繰り返していた。

(所長はそう言えば研究で蘇ったと言ってたな。この間の化け物も彼奴が生み出したのだろうか…。だが奴等はまるで何かに取り憑かれた様に壁を攻撃し始めたが襲って来る気配がないな…)

二人組は相変わらず壁を攻撃し続けているがアレンは様子を伺っていた。

「おい、あれを使って言う事を聞かせろ。」
上の方から再び声がした。どうやらスピーカーのスイッチを切っていないようだ

「し、しかしあれを使って検体がもっと暴走して研究所の外にでも出たら大変です!」


「愚民共の事等知った事か。とにかくあれを使って言う事を聞かせろ!」
(アレンには攻撃しないが壁を壊そうとして一体何をしようと言うのだ。いや、待てよ。私の立てた仮説の通りに魔性の者の細胞を持つ彼奴らが親玉に導かれる事を利用してそのまま親玉を始末してくれれば"半人半魔"の実験は成功したも同然だな。)

「はい。」
そう言うと吊り下げられた金属のノズルらしきものが下降し、先端は二人組に向けられていた。

「出力40%!」
するとノズルからは目には見えないが電波が二人組のうちの一人に命中した。電波を浴び一瞬痛そうなリアクションを見せたが再び壁を攻撃し始めた。

「じゃ、もう片方には違う出力の電波を浴びせろ。」

「出力60%!」
ノズルは電波を浴びてない相方の方に向き電波が放たれたがこちらも先程と同様の動きである。

「催眠電波でも言う事を聞かないならなる様にしかならないな…」
ルイナートはふと呟くとエレベーターに乗った。そしてエレベーターが下降して行く。

「…風…、彼処から来ているのか…」
アレンは何処からか吹く僅かな風の気配を感じ取って目をやると壁には大穴が開いていて、二人組は破壊した大穴から部屋の外へと飛び出しそのまま走り出した。そしてアレンはその後を追いかけようとした。

 しかし…!

「待ちたまえ。彼らを追う必要はない。」
ルイナートはエレベーターから降り、ゆっくりと歩きながらそう言った

「何故止める。さっき俺には攻撃を仕掛けては来なかったが他の民間人に被害が出たらどうするつもりだ。」

「これは実験の一環に過ぎない。魔性の者の細胞を持つ検体が親玉に導かれる事を利用して親玉を始末できればと考えている。例え言う事を聞かずに暴走したとしてもな…」

「そうか、じゃあ聞くけどこの間、人間が化け物に変化して襲ってきたのだがあれもあんたの研究の成果の一つか…。最もバラバラにした後に火を放ったから、マスコミとかは精々放火程度にしか見ていないけどな。」

「ああ、あれか。ベースとなった人間は生前重犯罪を犯して死刑となった理性の低い兵士で魔性の者の細胞も雑魚い部類のものだったから直ぐに覚醒したのか…」
「覚醒…。何だそれは。」

「人体に魔物の細胞を植え付けると人の細胞を侵食するも全体の5割位で留まりその状態で人が蘇る事で"半人半魔"の完成である。そしてその彼等が戦闘等で傷つき興奮して感情が高ぶると"半人半魔"が保てなくなり心身とも完全に魔物になる事を私は覚醒と呼んでいる。最も理性がきちんとしている奴は多少の事では覚醒しないがな。」

「だったらそんな奴等尚更放って置く事はできない。」

「最後に聞くがこの間、検体を傷つけたのはお前ともう一人女がいたよな…」
ルイナートは質問しながらどんどんアレンに近づいて行く…


  アークブレード - 漆黒の騎士 (男性) - 2009年05月11日 (月) 16時39分 [917]   
 ルイナートはアレンの発言等無視して自分の言いたい事だけ言い彼を責め立てる。

「し…」と言葉にはなってないが「知らないな」とアレンが言おうとしたがルイナートは遮るように続けた。

「知らないとは言わせないよ。あの時撮影器材を積んで飛ばした無人のラジコンのヘリが映し出してる映像をモニタールームで観ていたんだよ。ただあのヘリは部下が操作していたから検体がどうなったかしか観ないでヘリを回収して女の方は名前が分からないからお前に聞いているのだよ。」

(あの時以来会っていないから名前なんて覚えてないな。ん 、確か……クレアって言っていたな。あの娘結構可愛かったし、あんな可愛い娘を巻き込む訳にはいかない。そうだ、そもそも彼女のような娘を出したのは俺ら兵士の責任だ…と言うよりも何だこの感覚は何故か分からないが彼女を守らないといけない気がする)

戦いの日々を過ごして来たアレンは今までにない感覚に襲われて動揺を隠せないようだ。しかし此処で悟られてはならないと必死に無表情で沈黙を続ける。

「何だその顔は!何か隠しているな…」
アレンは無表情で黙っていたがかえってルイナートの疑惑の眼差しが鋭くなる結果となった。

アレンは黙っていたかと思えば「フッ…」と突然吹き出したような笑い方をし、そのまま笑いながら話し始めた。

「何を言っているのですか。私の様な兵士風情がいちいち民間人のルックスと名前を一致させて覚えている訳ないじゃないですか。現に貴方の名前だってもう忘れてしまいましたよ。名前、何て言うんですか?」

「ルイナート=ケビンだ。」
ルイナートは芝居がかった口調でそう言った。

「ああ、そうでしたね。それで私にどうしろと言うのですか。」
アレンはまだ笑顔の余韻が残った顔でそう言った。

「君が私に出逢うまで奴等の出所が知らなかったと言うのは仕方無いにしてもあの民間人の女が私の大事な作品を傷つけたと言うのだからなぁ。そもそも民間人は政府の重要機密に関与してはならないと言う法律が存在する以上裁かれなければならない。ちなみに君は何か隠しているようだが正直に言わなければ君の場合は軍法会議にかけられるだろう。」

「貴方の研究を成功させる為なら民間人が貴方の生み出した作品に襲われてもただただやられろと言うのか!余りにもふざけた冗談だな…」

「クックック…。総理が我々政府関係者の権利を守る為の偉大なる決まり事だ。文句があるなら総理に言いたまえ。」
アレンが怒っているにも関わらず嘲笑うかの様に言い放った。

「話しにならないな。」

「そうかい。君の事は総司令官殿に報告しておくよ。さぁ、もう此所に用はないだろう、帰りたまえ。」
ルイナートはうつ向きながら不敵な笑みを浮かべ言い放った。

「ああ、言われなくとも帰るさ。失礼したな。」
アレンは表情を変えず笑顔のまま挨拶をし一礼するとそのまま二人組が破壊した壁の大穴を通り、去って行った。

「フン!青二才が。私を怒らせた事を後悔するがいい…」
ルイナートはそう呟くとエレベーターに乗った。エレベーターは無言の彼を乗せ上昇して行く。


 ━━━


アレンは研究所を後にし車に乗り込んだ。運転手である老夫の男は温かく迎えた。

「お帰りなさいませ。」

アレンは無言でうつ向き何か悩んでいるようにも見えた。車は動きだしたがルームミラー腰からも彼のその様子が伺える。そして運転手の老夫はルームミラーを覗き込むとこう言った。

「いかがなされましたか。」
しかしアレンは黙ったまま何も返さない。

「言いたくない事もあるでしょう。しかし言った方が楽になるって事もありますよ。今の貴方を見ているとつくづくそう思うので声を掛けさせて頂きました。」

「……もしも貴方に彼女がいて、その彼女が得体の知れない奴等に狙われていて守るとすればどんな手段を使う?」

「これはまた変わったシチュエーションですな。そうですね、私なら敵さんを刺激しないようにあからさまに彼女を守ると言う行為は避けて何かにカモフラージュして相手の様子を探りつつそっと彼女を見守ると言う方法で行きたいと思います。」

「成る程、何かにカモフラージュしてか…」

「どう言う経緯でそのような質問をされたかは存じませんがこんな年寄りの意見を参考にして頂けるなら光栄でございます。」

「話しは変わるが二人組が研究所から出て来るのを見なかったか。」

「二人組ですか。生憎私は一人しか見ていないです。ですがその一人は山道を目指して走っています。」

「帰りは先程よりも速い速度で頼む。そして見つけ次第追跡を開始してくれ。」

「かしこまりました。」

(あの似非化学者に余計な事をされては動き難くなるな。失礼は承知の上で総司令官に携帯で成果を報告しないとな…)

アレンはポケットから携帯を取り出し折り畳み式の本体を開き、電話をかけ始めた。

「誰だ。」
総司令官が電話の向こうで電話に出た様だ。

「アレンです。任務が完了したので報告したいと思います。」

「うむ。」

「ルイナート氏が人を蘇らせたと言うのは死んだ人間に魔物の細胞を植え付け、人間の細胞をある程度侵食させた状態で擬似的に蘇生させる事だそうです。」

「やはり人体実験か…。続けてくれ。」

「それでその蘇生した人間の事を"半人半魔"の存在だと言っており彼等に親玉を探し出させて始末させるのが目的だそうです。」

「ほう、それならお前達兵士の出る幕はないな。」

「はい、表向きはそうかも知れません。しかし薬の様に副作用が生じています。」

「副作用だと?」

「はい、それは"半人半魔"が故に理性が乏しい奴は感情の高ぶり等で直ぐに"覚醒"と言う現象を引き起こして完全に魔物になってしまう事です。私がこの間相手にした奴もそのパターンでした。」

「それは厄介だな…」

「はい。その時に民間人の女性が襲われて怪我をしています。私が偶々巡回していたから幸い彼女を救う事が出来ましたがもしも誰も居なかったら犠牲になっていたと思います。」

「確かにそれは見過ごす事が出来ない多大なデメリットだな…」

「民間人を犠牲にしてルイナート氏の研究を推進するか民間人を守る事を最優先にするかどうか貴方の意見をお聞かせ願いたい。」

「ルイナートの研究は確かに画期的かもしれないが民間人の安全が最優先事項だ…。」

「そうですか、分かりました。それともう一つ、民間人が政府の重要機密に関与してはいけないと言う法律が存在しますが民間人がどうやって彼の試作品種だと見抜いて手を出さない様に出来ますか。あの人は私が救った女性が関与していると言っていて何か危害を加える虞があります。」

「ルイナートは民間人がその法に触れているから裁きを下したいと言う所までは分かったが彼は何故其処まで事細かに状況を把握しているのだ。まさか現場にいたと言う事はないよな…」

「はい、撮影器材を搭載した小型のメカを介してモニタールームで観ていたそうで幸い民間人の女性が名前を明かすところまでは撮影されていません。」

「だが彼奴の性格からして自分の試作品を台無しにした者は何処の誰かを躍起になって探すだろうな…」

「そして最後に、彼の研究所から検体2体が脱走を図っていて。その内一体は行方不明でその片割れが現在車が通るルートを走っている模様です。引き続き追跡を実行します。」

「街中には絶対に入れるな。お前は今追っている奴を始末しろ。ルイナートの方は俺が何とかする。」

「了解!」
アレンはそう言うと電話を切った。切ったと同時に車の屋根に何か重たいものがのし掛かった音がした。

「おや、何でしょうかね。」

「俺が調べる。」
アレンはそう言うと車窓を開け様子を伺いながら顔を出すと研究所で目撃した二人組の内の一人が車外にいた。

「アンタの目的は何だ。何故其処にいる。」

「あのお方に呼ばれている。行かなくては…」
二人組の内の一人は意味不明な発言を繰り返しアレンの言っている事を全く聞く様子はない。

「あのお方だと…それは誰だ!」

「樹海に眠りし偉大なあの方の導きのままに…」

(樹海に眠るだと…見当もつかないな。そしてこれがルイナート氏の言っていた現象か…)

「アンタは誰だ!何がしたい!答えろ!」
アレンはだんだん頭に来て怒りながら問いかけた。

「名前…そんなものはない。 あの男が付けたNo.12と言う番号のみが身分を証明する。」
No.12と名乗る男は表情を変えずゆっくりとした話し方で話し始めた。

「No.12か。今車を停める。話はそれから聞こう。」
アレンは車外に身を乗り出していたが体を車内に戻し運転手の老夫に言った。

「すまない、一回車を停めてくれ。」

「かしこまりました。」
そう言うと運転手はブレーキペダルを踏み、その後何回かに分けて踏み込み車を停車させた。

「ありがとう。」
アレンは車のドアを開け、屋根の上に乗っていNo.12に降りて来るよう促すと素早く降りて来た。アレンはそれを見届けると車のドアを閉め話し始めた。

「アンタそう言えば相方が居たよな。」

「No.13か。何処にいるか分からないが微かにだが遠くの方で気配がする…」

「じゃ、車に乗って追跡を手伝ってくれ。」

「……!」
No.12は突然頭を抱えながら苦しみ始めた。アレンは一瞬脳裏に"覚醒"と言う言葉が過ったがそうではなく胸をホッと撫で下ろした。
「…強い……気…No.13……覚醒したか……」
No.12は苦しみながら途切れ途切れで話しだした。

「覚醒だと…。いいから乗れ!」
アレンは車のドアを開けNo.12を右後部座席の方へ押し込み、自分は左側に座りドアを閉めた。

「お連れ様ですか。」
運転手は呑気に質問しだした。

「いいから、車を出してくれ。」

「かしこまりました。」
運転手は慌てて車を走らせた。

「ところでさっき覚醒したと言ったな。何故分かる…」

「…強い気を感じる。」
彼から先程の苦しそうな表情は見えないもののまだ少し苦しそうだ。

「そうか。もう一回聞くがアンタらの目的は何だ。」

「…あのお方を探し出し始末する。」

「あのお方とは誰だ。」

「分からない。頭の中に直接語りかけられ導かれる。」
これ以上聞いても何も聞けないと思ったアレンは相槌だけ打ち後は聞き流すも彼は勝手に続ける。

「こんな自分だが魔性の細胞を死人に植え付けてはならない。そしてそうなった人間を無理矢理言う事を聞かそうとして催眠術を使う等もっての他だ。そう…力を無理に枷にはめようとして暴走が起こるのは必然なのだからな。」

「"力を枷にはめようとすれば暴走が起きるのは必然"か…。アンタは大丈夫なのか。」

「自分に浴びせられた催眠電波は大したことなかったとは言え精神状態に異常をきたして暫くの間はあんな状態になっていた。だがNo.13は自分よりも強い催眠電波を浴びさせられたのだから覚醒が起きてもおかしくない状態だろう。」

「急がないと民間人に被害が出る。アンタも手伝ってくれるな。」
アレンは念を押すかの様に聞いた。

「いいだろう。」

「先回りの必要があるな…ジィさん、獣道でも何でもいいから今通っているルート以外であるなら教えて欲しい。」

「…そうですね、此処から先に分岐点があるのですが其所を左に行くと現象では使われなくなったトンネルがあります。ただ、幽霊や魔物が出るみたいなので先程は言いませんでしたが。」
運転手の話し方が途中から盛り上げる為に恐怖心を煽る様な話し方になっていたが誰も怖そうなリアクションはしなかった。

「幽霊や魔物か…望むところだ。ジィさん、じゃ、その道を頼む。」

「本当に宜しいのですか。」

「ああ。」
どうやらアレンの決意に揺らぎは無いようだ。

「かしこまりました。」
黒塗りの高級外車が空の色と同化して見えるくらい辺りは漆黒の闇に染まっていた。そして真夜中の山道をひたすら走り抜ける…


  仮面 〜闇の精〜 - ベールゼブブ (男性) - 2009年04月27日 (月) 18時28分 [913]   
  「大変です女王陛下!!」
 突然兵隊の一人が玉座の間にやってきて女王の前に倒れ込んだ。
「何事です!? っつーかさっさと喋れ」
 騒ぎを聞きつけ、ルーク達も客間兼作戦会議室から飛び出した。兵士は荒く息を繰り返し、急かす女王に答えた。
「申し上げます! ニンフのカトリーヌ女王が、ここに来てます!」
「何ですって!? っつーかマジ!?」
『ええ!?』
 とんだ出来事にその場にいた全員が飛び上がるような感覚に襲われた。直後、玉座の間の扉を開く音が聞こえた。エルフの兵の鎧とは異なる、華美な装飾がなされた豪華な鎧。その後ろに、耳の尖った、一目で高い身分にいると分かる女性。彼女はティアラと深紅の豪華なドレス、そしてワインレッドのマントを纏っていた。肩までの髪にウェーブがかかり、人形のような白い顔には勝ち誇ったような笑みが見える。彼女は更に後ろに銀色に輝く女性の鎧兵を従え、エルフの女王の前まで優雅に進み、立ったまま頭を下げた。
「何のご用です? っつーか何か用?」
「あいかわらず礼儀を知らぬ口調じゃのう、ここの女王は」
「礼儀をご存じないのはどちらかしら? なんの前触れもなくやってきて、なんのあいさつもなしに簡単な礼ですませるなんて。っつーかまず詫びろっての」
 ニンフの女王は嫌味たらしく高笑いを始めた。
「本日わざわざここへ参ったのは、この無益な争いを止めるように伝えるためじゃ。このまま一進一退の戦いを繰り返しても互いの兵が減るだけ。何のためにこのような争いを繰り返すことがあろう?」
「これは不可解なことを仰いますわね。勝手に戦争を仕掛けてきたのはあなたの方じゃありませんの? っつーかした」
 また、ニンフの女王の高笑いが始まった。
「わらわが!? 何のためにそんなことを?」
「それはこちらが伺いたいところです!! っつーかアンタが先に来た!!」
「何を根拠に? そち達エルフが先に攻撃を仕掛けてきたのじゃろう? 何子供みたいなことを申す!」
 あまりにちぐはぐな両者の主張に、ルーク達は頭がこんがらがってきた。
「わたくしはガイル公爵が、見張りの部下から武装したニンフが攻めてくるのを見たと聞いたのを聞いてそれに応戦しただけです! っつーか喧嘩ふっかけたよね!? アンタ!!」
「こちらこそ、この兵士長のグラスが、エルフの軍が家宝の宝石を狙って軍隊を集めているという情報をわらわに持ってきた。案の定わらわが戦場まで到着する間もなく軍隊で攻め寄せてきたではないか!?」
「家宝の宝石?」
 今度はエルフの女王が笑った。
「そんなものの存在存じ上げませんでした。っつーかアンタにあったの?」
「白々しいのう! よくもまあそんなことが言えたものじゃ! 持たざるものの妬みほど醜いものはないのう」
「残念ですけど、わたくしには先祖より代々伝わる家宝ぐらいあります。っつーか持ってるっつーの」
 ルーク達の目には子供じみた喧嘩にしか見えず、結局戦争というものはこういったものなのかもしれないという実感が湧いてきた。
「大体、わたくしにはあなたの宝石を狙う理由がございません! っつーか別にいらねー」
「それじゃ、グラスの情報に誤りがあるとでも申したいのか!?」
「真に恐縮ではございますが、そういうことになるのではないかしら? っつーか絶対そう」
 カトリーヌはグラスと呼ぶ派手な鎧へ目を移した。
「グラス! そちの申した情報に偽りはないな!?」
「ございませんとも。確かに密偵が持ってきた情報でございます」
 低い声が兜の中でくぐもりながら聞こえた。
「ならその密偵とやらを連れてきていただけます? っつーか連れてこい」
 女王の言葉に、いきなりグラスとカトリーヌが大声で笑った。
「エルフには『密偵』という言葉の意味が分からぬと見える。連れてこられないから『密偵』というのであろう?」
「それでは、その密偵はいつどこでその情報を仕入れたと仰るのです?」
 カトリーヌの笑いは止まらない。
「グラス、答えてやるがよい」
 グラスは笑いが止まり、俯いていた。カトリーヌの呼びかけに答えることなく。
「言えないのですか? 密偵に情報を聞くときはいつ、どこで、どのような状況でその情報を聞いたのか明確に尋ねなければなりません。っつーか常識」
 しかし、グラスは含み笑いをし、
「お言葉ですが、今問題としているのは密偵が持ってきた情報の内容です。彼が情報を得た状況など、何も関係ないでしょう?」
 と開き直った。
「なるほど。余程聞かれるとまずいようですね。それでは質問を変えましょう。あなたは本当にニンフなのですか?」
 カトリーヌが腹を抱えて笑い出した。
「当たり前じゃろう!! だからわらわの元で兵士長をしておるのじゃ!! のう? グラス」
 グラスが黙り込むのを見、カトリーヌの笑い声が止まった。
「どうなのです? なぜ答えないのです? っつーか答えろ」
「何を申すか!! 失礼な!! ニンフの国にいるのだからニンフに決まって・・・・・・」
 カトリーヌの焦るような言葉に、女王はぴしゃりと言い放った。
「カトリーヌ、あなたも気づいているはずです! っつーかアンタが一番よく分かってるよね!?」
 女王はグラスを指さしながら、更に突っ込んでいった。
「エルフとニンフの決定的な違い、人間や他の種族に何故分からないのか分かりませんが、大きな違いがあります。あなたは誰なのです? っつーか誰?」
 ルークまでぐっとつまり、顔を赤らめながらぽりぽりと頬を掻いていた。グラスはただじっと黙っていた。
「カトリーヌ、なぜ彼を『ニンフ』と思ったのですか?」
「『彼』? グラスは女じゃ!!」
 え? とルークは頭を捻った。
「なるほど。女性、ですか。それにしては声が低すぎるんじゃございません? っつーか男だろ」
 ようやっと、ルークにもエルフとニンフの決定的な違いが分かってきた。
「こ、声が低く聞こえるのは兜でくぐもっているからじゃ!!」
「それでは質問を戻しましょう。先ほどあなたは密偵を『彼』と言いましたね? 同じ理由で色々おかしいんですよ。っつーかツッコミ所満載」
 女王はそっと玉座から立ち上がった。

「ニンフには、男性なんていないはずです!! っつーかいねー」

  仮面 〜闇の精〜 - ベールゼブブ (男性) - 2009年04月27日 (月) 18時29分 [914]   
 鎧の「男」は大声で笑いながら、兜を脱いだ。
「さすがはエルフの女王。俺様の正体に気づくとは」
 逆立った赤毛、つり上がった赤い目、尖った耳。美男子ではあるがそれだけに裂けた口が不気味に見える。一同が息を呑んだ。
「ダークエルフ、ですね。エルフとニンフ、そして魔族の混血。あなたの目的は何です? ただニンフ族を騙すためというだけではないでしょう? っつーか何か用?」
「お察しの通り。エルフとニンフの混沌を招き、永久に鳳凰の塔への『鍵』を封印するためです。ここに父・ゲルグマイアスを討伐するものが来ないとも限りませんからね。そのために俺はニンフの女王に取り入って計画を実行してきたと言うに・・・・・・」
 グラスはカトリーヌを指さし、続けた。
「こいつは扱いやすかった分おつむが足りないらしい。取り入る方を間違えたようだ」
「グラス・・・・・・! 最初からわらわを騙すつもりだったのじゃな!?」
「今頃気づいたのか。本気で俺をニンフと信じてやまなかったみたいだな。しかし、まさかニンフには本当に男がいなかったとは。もう少し研究しておくべきだった」
 カトリーヌは顔を真っ赤にして怒っているようではあったが、ショックも凄まじかったらしく、二の句を継げずにグラスを睨むほかなかった。
「さて、それじゃ最終計画を実行させてもらうか。本当は互いの軍隊が消耗しきったところで女王二人を暗殺しようと思っていたのだが・・・・・・ばれてしまった後では仕方がない。この場でエルフ族ニンフ族両方を殲滅する」
「させるか!!」
 ルークのかけ声とともに4人飛び出した。
「魔王の息子ともなれば話が早い。私たちがその魔王・ゲルグマイアスを討伐するためここまで来たものだ!」
 グラスは声のした方を睨み付け、鼻を鳴らした。
「人間か。なるほど。お前達が悠久の巫女・ルルアの生まれ変わりとその従者たちだな」
「従者、か。なるほどな。確かに私たちはルルのおまけと言えるかもしれない。だが」
 ルークは剣を取り、他も武器をそれぞれ構える。
「ルルが伝説の巫女だろうがなんだろうが関係ない! 私たちの仲間、かけがえのない『妹』だ!」
 グラスは怪しい笑みを取り去り、見下すように冷たい視線を浴びせた。
「愚かな人間よ。ここに骸を埋めるがいい」
 そういってグラスは氷の術を手から放った。
「メラゾーマ!」
 アーサーも燃えさかる巨大な火球を呼び出し、グラスの頭上へ落とす。グラスは平気な顔で火炎を打ち破った。
「これでも喰らいなさい!!」
 マゼンダは鞭に雷を宿し、グラスをひっぱたこうとした。しかしグラスは鞭を平気な顔で掴み、引きちぎった。
「!! なんですって!?」
「甘いんだよ!! 魔族の反射神経にキサマら人間風情が追いつけるわけねえんだよ!!」
「こいつっ・・・・・・!!」
 魔族の怪しくけたたましい笑い声が響いた。

  こぎつけた - ベールゼブブ (男性) - 2009年04月27日 (月) 18時40分 [915]   
えっと・・・・・・どうやってグラス倒しましょう??
どうやって倒そうか困ってたのでなかなか書けずにいたため今日まで持ち越しました。

っていうかプロット書けよって言われればそれまでなんですが・・・・・・。

では☆


  題名確定:薔薇薔薇なやつら - ベールゼブブ (男性) - 2009年04月10日 (金) 21時09分 [911]   
  「ではまず、お名前からどうぞっ!」
 金城がホストノリで新参者に名前を尋ね、新参者はにっこりと、そして凛とした笑顔で答えた。
「人文学部人類文化学科1年の太田和泉です。よろしくお願いします」
 黒髪の美人、太田の挨拶が終わるや、盛大な拍手が沸き起こった。
「新入生万歳!! しかも女の子とは幸先いいぞ!!」
「ああ・・・・・・これでユーレイ部長からの負担が減る!! この世に女神はいたのか!!」
 中村も牧野も心から喜び、牧野にいたっては目が潤んできている。
「しかもすっごい美人じゃん! 部のイメージアップにもつながるじゃん!!」
「学部俺と一緒だぜ? 学科は違うけど」
 真田と岸田もガッツポーズで太田を歓迎した。
「部長の中村と言います。何か分からないことがあったらこっちの牧野が色々教えますんで、遠慮なく聞いてやってください」
「人に押しつけないでたまにはご自分でなさったらどうですか?」
 中村と牧野の様子を笑顔で見守りながら、太田はメモ帳を取りだし、何かをさらさらと書き始めた。
「ナカムラに、マキノ、と」
「あ、名前メモってるんだ。流石女の子はマメだね。・・・あ、俺は岸田。学科は違うけど同じ人文学部の4年。よろしく」
 太田は岸田と握手を交わした後で、名前をメモりだした。
「俺は真田〜。英米科だよ」
「・・・ぇ〜・・・・・・」
 太田は何かぼそっと呟いたが、真田はよく聞き取れなかったため、聞き返した。
「あ、すみません。なんでもないです。サナダ先輩、ですね」
 そう言って彼女はメモを取った。
「はじめまして太田さん。文学部の金城です。今日は来てくれてありがとうございます」
「カネシロ・・・・・・と」
 その後も何かを書いているような音がしているが、気にせず部長が金城に絡む。
「こいつ学生のくせに現役ホストだから気をつけろよ? 騙されないように」
「失礼な!! ホストを詐欺師みたいな言い方すんじゃねえよ!!」
 太田はその様子を笑顔で眺めつつ、何かを書いていた。
「何書いてんの?」
 真田が横から覗き込んでいるのに気づき、太田は慌ててメモ帳を隠した。
「み、見ました!?」
「よく読めなかったけど、『カラ』がどうとか・・・・・・」
 ほっとした顔を見せ、太田は言った。
「ならいいんです。でも、くれぐれも内密にお願いしますよ」
 いきなり凄まれ、真田はそれ以上関わるのをやめることに決めた。
「でも、面白そうな方々ですね。とくにあの部長さん」
 太田はじっと中村を見つめ、にっこりと笑う。
「やっぱりそう思う? 俺も部長のマイペースがすんごい好きでさ」
「マイペースが、ですか?」
「そ。部長すんごいマイペースで気まぐれでさ、一緒にいるとむっちゃ楽しいよ」
 そこへ岸田がそうそう、と首を突っ込んできた。
「ま、牧野も金城もよく噛みついてるけどさ、なんだかんだで中村を嫌いにはなってねえんじゃねえの?」
「皆さんから愛されてるんですね」
 そのとおり、と言う真田と岸田に続いてその3人の様子を見ながら、太田は何かまたメモを始めた。
「んじゃ俺ちょっと出るわ。牧野あとよろしく」
「ちょっと部長!! 新入生が入って早々またサボりですか!?」
「そうだ!! 俺だって楽しいこと我慢してお前の茶番に付き合ってきたんだ!! お前もたまには我慢しろ!!」
「金城先輩までそんなこと思ってたんですか!? だったら俺も言わせてもらいますけどね、別に入りたくなかったのに部長からあんな強引に勧誘されたからいるだけで、いつやめてもいいんですからね!!」
 そんな太田の笑顔は、至って普通に見えた。

「えへへ☆ 本当に『薔薇部』って感じ☆ まさか三次元で妄想出来るなんて運が良かった! てっきり男子限定だと思ってたのに、声かけてみるもんね〜♪ えっと」
 太田は下宿先の自室でメモ帳を取りだした。
「中村部長は・・・・・・攻めかな? 多分牧野先輩とのカラミを考えると・・・・・・やっぱそう。真田先輩の受けっぽさとかマジ萌えなんだけど〜☆ 岸田先輩と金城先輩は未確定かな〜。でもやっぱ金城先輩は受けっぽいかも〜☆ これからきちんと観察しなきゃ☆」

 綺麗な薔薇には棘がある。

  春の章終焉 - ベールゼブブ (男性) - 2009年04月10日 (金) 21時17分 [912]   
とりあえず春の話は終わりました。
もしかしたら夏になったら続編書くかもしれません。
珍しくプロット書かずに書いてるのでおかしいところが出てくる可能性があります。ご了承☆

あ、ルーヌ達の方はゆっくり、かつ確実に進んでます。メモ帳からコピペしてるんですけど、なかなか話が進まなくて困った困った、困ったもいーー;

レス返し>天使様

お帰りなさい! 直ってよかったですね。
姉が使ってたノーパソなんか、3秒で電源が落ちるぐらい酷かったのに、何回修理に出しても原因不明の一点張りだったみたいです。これだから(自主規制)はっ・・・・・・!
真田くんはこれからさらにいいキャラにしていくつもりです^^;

私も部活の勧誘されて、お食事に誘われたりとかしました。行ったところは一か所だけで、実は一時期入ってたんですけど、諸事情で一年もたたずに辞めました。

では最後に新参キャラの紹介を。

太田 和泉(おおた いづみ) 隠れ腐女子。いつもメモ帳を持ち歩いては萌えシチュをすかさずチェックしている。二次元に物足りなくなったので三次元にまで妄想の手を伸ばしたようだ。人文学部人文学科。


  アークブレード - 漆黒の騎士 (男性) - 2009年04月10日 (金) 11時06分 [909]   
   「お呼びですか!」
夕方だろうか執務室にノックをして入って行った兵士がいた。髪はダークブラウンで黒い軍服を身に纏っている。そう、アレン=エクスターである。

「…又化け物が出たそうだな。それで誰が始末したんだ。」
彼を呼んだ張本人は40代くらいだろうかボサボサの黒髪で眼鏡をしていて無精髭を生やしている男である。男は単刀直入に話を進めた。

「始末したのは自分です。あれは最初は人間でしたが心臓を貫かれて様子がおかしくなって怪物に変化しています。」

「ふぅ、又か。今月に入ってから三回目か、一体そんな輩が何処から現れると言うのだ…」


 ―コンコン

静寂を破るかのように突然ドアをノックする音がした。

「入れ。」

「失礼します!」
迷彩色の軍服を身に纏った一般の兵士がドアを開け中に入った。

「どうした。」

「化学研究所からパソコンに電子メールが総司令官宛に届いたのですが目を通していただけますか。」
兵士は届いた内容をプリントアウトしたものを持参し総司令官に言った。

「分かった。どれどれ…」
総司令官は兵士がプリントアウトとしたメールの内容を読み始めた。

「何、何…」

文頭には挨拶の言葉が綴られていた。そして内容は…

この度新たな研究により人間を甦らす事に成功しました。これにより戦死者を甦らせ、軍全体の人数を減らす事なく新たな人員を投入する必要はありません。総司令官殿には是非ともこの研究の成果を御覧になって欲しく恐縮ながらメールと言う形で内容を送信させて頂きます。

レギュウム総合化学研究所 所長ルイナート=ケビン


と言う内容である。

「あの三流化学者め、何を企んでいる…」
総司令官はそっと呟いた。だが先程の兵士がその傍らで困った表情を浮かべ立ち尽くしていた。

「ん、下がっていいぞ。」
総司令官は兵士にそう告げた。

「失礼します!」
迷彩色の軍服の兵士は入室した時と同じテンションで執務室を後にした。

「アレン大尉、私にはやらなくてはいけない仕事がある。早速だが私の代わりに総合化学研究所を視察してもらいたい。行ってくれるな?」
総司令官は優しくそう言うが目は「断るわけないよな?」という目をしていた。

「何故自分がその役割なのですか。他にも適任者がいる筈ですが。」

「なぁ、アレンよ。私が少佐、中佐、大佐のカメリカ人が信用できないのは知っているよな。」
総司令官は何処か遠くを見つめながらアレンに言った。

「奴等だったらあの化学者と良からぬ事を企んで何をするか分からないから、信用出来る自分に視察させて結果を報告して欲しいと、そう言う事ですか。」

「そうだ。それで勿論行ってくれるよな?」
総司令官は念を押すように言った。

「行かないと言えばどうしますか。」

「…お前は相変わらず人を困らす天才だな。 俺はカメリカ人の様に言う事を聞かないからって力ではねじ伏せないがどうしてもその人に頼みたいならしつこく話し合いで粘るつもりだ。だがな、一刻の猶予もない。この際手段を選ばずにお前に言う事を聞かせたっていいのだぞ。」
最初呆れながら喋っていた総司令官もむくっと立ち上がり拳を強く握り締め、次には大剣を鞘から抜き切っ先をアレンに向けた。

「フッ、やはり総司令官には敵いません。この任務慎んでお受け致します。」
アレンがそう言うと総司令官は大剣を鞘に収めた。

「場所は分かるな。」

「この施設から50q離れた所にあるタボチ村に在ります。」

「うむ。外に黒塗りの高級外車が停車しているからそれに乗って行くといい。」

「了解。」
アレンはそう言うと踵を返し執務室を後にした。

「悪い予感がするな。どうか気のせいであってくれ…」
総司令官は誰もいない部屋で一人呟いた。


 ━━


アレンは執務室を出て廊下を歩いていた。彼等の軍事施設は無骨な造りで白いコンクリート製の壁に木製の床の廊下である。歩く度に「ミシッ、ミシッ」と音が鳴る。他の兵士とすれ違う事もあるが皆同じような表情で無表情である。だからと言ってこんな所で陽気な人物も場の空気に似つかわしくない。

アレンは施設の出入口の前に着いた。眼前の自動ドアの向こうには黒塗りの高級外車が停車していた。

(あれは総司令官が何時も外出に使う私有車両だな。しかも運転手付きか…)
アレンはそう思いつつ自動ドアが開きそのまま高級外車の所まで近付いた。すると後部座席の車窓がいきなり下降した。それはパワーウィンドウと呼ばれるスイッチを押せば窓の開閉が出来る電気的な仕組みである。そして車中から声がした。

「あれ、貴方総司令官でないですな。」
声からして6、70代の老夫の声である。

「総司令官は手が放せないから今回は自分がこの車両で目的地まで行く事になった。」

「そうですか。それは仕方無いですな。さ、さ、乗って下さい。」
運転手の老夫は諦めたのかアレンに車に乗るように促した。

アレンは車の左後部座席のドアを開け静かにシートに腰を下ろした。そしてドアを閉めシートベルトをした。

「何処まで行きましょうか?」

「取り敢えずタボチ村にある化学研究所まで頼む。」

「了解しました。」
運転手はそう言うとハンドルを握りアクセルを踏み込み車を動かし始めた。車は最初ゆっくりと走り始め徐々に速度が上がって行き一定の速度になると速度を保ちながら走行して行く。

アレンは運転手の老夫とは全く面識がなく車中で何を話せばいいか分からず景色を見ていたが見慣れた風景ばかりで直ぐに飽きてしまい、かなりの間沈黙が続いた。そんな沈黙を打ち消すかのように突然腹の鳴る音がした。

「おや、腹ペコですな。右腕の下の肘掛けを開けてみて下さい。きっと貴方様のお腹の方を満たせる品々がありましょう。」
アレンは言われるがままに肘掛けを起こしその更に下にある蓋を開けた。すると色々な種類の缶詰やペットボトル入りのミネラルウォーターが所狭しと備蓄されていた。

「此処から好きな物を取り飲み食いしてもいいのか…」
あまりにも綺麗に整頓された状態で入っていて手が出し難い状態である。この様に整頓した人物は几帳面な性格だと言う事が伺える。

「好きな物をいくらでもお取り下さい。取る際に乱れても構いませんよ。」

「じゃ、お言葉に甘えて頂くとしよう。」
するとアレンは魚のイラストが描かれている缶詰を二個とミネラルウォーターを一本取り蓋を元に戻し肘掛けを元の状態に戻した。

「おやおやお目が高いですな。それは一見アジやイワシの缶詰に見えますが中身は違うものが入っているんですよ。ご存知でしたか。」

「確かにこの食感イワシやアジではないな。 …ん、これは鯨か…」
アレンは一口、口にし
食感を確かめた。

「その通りです。鯨でございます。」

「レギュウムでは領海内でも獲る事は出来ない筈だし。輸入か…」

「いいえ、それは国内にあるカメリカ人街で購入したものでございます。いやはやカメリカ人じゃないって言うだけで値を釣り上げられて参りました。」

「だろうな。」
アレンは一応相槌を打つも話に興味はないようだ。

「そもそも他国の先進国と同じようにレギュウムにも大昔から鯨を捕る慣わしがあるにも関わらず何故レギュウムだけ捕鯨が駄目なんでしょうか。不公平だと思いませんか?」

「……(俺にそれを言われても困る。)」

「って聞いてますか。コホン!続きですがそもそもカメリカの方が多く捕り過ぎて鯨自体の個体数が激減しているにも関わらず他国には『捕るな』とか『捕り過ぎるな』とか言いますけどそれは矛盾している話だと思いませんか。正義の国家が聞いて呆れますよ。」

「…確かにな。」
アレンは鯨の話に興味はないが"正義の国家が聞いて呆れますよ"には共感したようだ。

「そうですよね。所で話は変わりますが鯨は美味しいですか?」

「…ああ美味い。」

「それは良かったですな。」

「ところで後何れくらいで着くのか教えて欲しい。」
アレンは最後の一口を食べながら質問した。

「そうですね、後もう少しなのですが山道を通るので多少時間がかかると思われます。」

「それ以外のルートはないのか…」

「ありません。その唯一の山道を通らなくては目的地までは辿り着けません。」

(これだから田舎は…)
アレンはそう思いながら溜め息をついた。

「山道に入るのでかなり揺れます。しっかり掴まっていて下さい。」
すると車窓の外は薄暗くなり山道が眼前に広がっていた。

(掴まるって此か…)
アレンは恐る恐る頭上の左にある取っ手を左手で掴んだ。掴んだと同時に車体が砂利等でかなり揺れた。運転手の老夫はかなり熟練の運転手なのかハンドルが取られるも冷静なハンドルさばきを見せた。そしてそのまま無事に山道を抜ける事ができ農道へ続く道へと出た。

「もう直ぐで到着致します。突き当たりを左に曲がり次を右に曲がったら目的地でございます。」
シートの背もたれにもたれていたアレンは体勢を起こし座り直した。

暫く車を走らせると農道を過ぎ村の村道を通る事になった。村人は見慣れない高級外車に驚いたり物珍しそうに眺めたりする者もいた。

「皆珍しそうな顔をしているな…」

「はい。この村では未だに耕耘機等の機械を使わずに家畜を使い畑や田んぼを耕し、収穫した農作物はリヤカーに積んで各都市まで運んでいるそうです。なので車自体珍しかったのでしょう。」

「成る程な。」

「見えて来ましたよ。あちらが研究所でございます。」
車は村道を左折し後は右折するだけであるが目的地である化学研究所らしき建物がその姿を現した。そして車は右折をし化学研究所の門の前で停車した。

「レギュウム総合化学研究所前でございます。ちなみに帰りの方も宜しくお願いします。」
運転手の老夫はアレンの方を向き一礼した。

「すまないな。」
アレンはそう言うとシートベルトを外し車のドアを開け両足を外に出し立ち上がりドアを閉めた。

「此処がレギュウム総合化学研究所…」
アレンは車から降り研究所の門の中に一歩踏み込み呟いた。化学研究所は妙な迄な静けさを湛えていた。

  ふむふむ - ベールゼブブ (男性) - 2009年04月10日 (金) 17時55分 [910]   
なかなか謎めいてきましたね。
っていうかゾンビ!?

先進国の優越・・・・・・
捕鯨・・・・・・

なんか世相が現実とかぶってステキです☆

では♪







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