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魔女の森 - ベールゼブブ (男性) - 2008年11月29日 (土) 00時18分 [783]
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襲いかかってくる魔物。 黒い覆面を被り、斧を持った殺人鬼(エリミネーター)や箒に乗って飛び回る魔女。 回復役のルルがいない一行には苦しさを強いられるかと思っていたが、意外にもルイーズが回復呪文を覚えていたのでそれほど苦ではなかった。 「この森は意外に広いな」 ルークがぼそりと呟いた。 「だね。それに魔物も多い・・・・・・ベギラマ」 アーサーの放った閃光が魔物達を包み込む。エリミネーターは次々と閃光に倒れていった。 「あたしもいくわよ!!」 マゼンダが鞭を振るって魔女を箒からたたき落とした。 「イオラ!!」 爆裂攻撃魔法を放ったのはアーサーではなくルイーズ。一同は驚愕の目をルイーズに向けた。 「すごい魔法をお使いで」 アーサーがそう言いながら近寄る殺人鬼に閃光を投げつける。 「だがそれぐらいにしておけ! 回復が出来なくなったら共倒れだ」 ルークが二人の間に割り込んだ。 「退けぇぇぇぇぇぇえええぇえ!!」 ルークは殺人鬼を一気に斬りかかった。覆面の殺人鬼は致命傷を負って倒れた。 「あれよ!! 魔女様の家は!」 ルイーズが赤い屋根の邸宅を指さした。一同は襲い来る魔物を倒しながら、その邸宅へと急ぎ足で近づいた。
くすんだ赤い色の屋根と、黒ずんだ白壁。鬱蒼と繁った森の暗さと相まってなお不気味な雰囲気を醸し出す。尖塔の風見鶏に鴉が一羽、四人を見据えていた。 「ほんっと、なんで吸血鬼やら魔女やら怪しい隠遁者は人里離れた辛気くさいところを好むのかしらね。わざわざ出向くこっちの身にもなりなさいよ」 マゼンダが毒づくや、男の声が聞こえた。 「おい、誰が怪しい隠遁者だ! ペネロペ様を侮辱すると後が怖いぞ!!」 一同は辺りを見回したが、誰の姿も見えない。 「誰だ!? どこにいる!?」 「上だよ、上!!」 一同が見上げるも、見えるのは風見鶏の鴉が一羽。鴉は赤い目でじっと四人を眺めている。狡猾な笑みを浮かべるように。 「俺だよ。ペネロペ様の使い魔(ファミリアー)、クロードだ」 「鴉が喋った!!」 ルイーズが口を手で覆った。 「魔女の使い魔ですね。初めて見ました。古来魔女や魔術師には使い魔を雇う風習があって、その姿は様々に変化すると聞いています。蝙蝠や鴉、狼や黒猫など。既に廃れた古い文化と思っていましたが、ケトル族の末裔はまだ伝統を保っていたようですね」 アーサーが言い終わる前に鴉が塔の屋根から降り、みるみる人間の姿に変わっていった。栗色の短髪に白と緑を基調とした魔導服を着た十台半ばの少年が、玄関口に立った。 「ペネロペ様に何か用か?」 「あの・・・・・・、姉が病に伏して、それで薬を・・・・・・」 クロードはじっとルイーズを眺め、踵を返した。 「入れ。嘘じゃないみたいだしな」 一同は少年に導かれ、中へ入っていった。扉を開けると、そこはかつての礼拝堂だったのだろうか、出鱈目な方を向いている長椅子と教壇、まっぷたつに割られたクロスが見える。一行は更に右奥の扉を入り、廊下を左、T字路を曲がった。その奥の部屋には大きな釜が煙を吐き、その前に佇む長髪の人影が両手を挙げて高らかに詠唱を繰り返していた。 「地獄の魔王、悪魔の王、彷徨える悪霊たちよ! 今ここに我誓いを立てん! 冥界に住まう死霊の王! リンポの支配者! 我が願いを聞き届け給え! スカルミリョーネカルカブリーナ、古の悪鬼(マレブランケ)、ルビカンテバルバリッチャ、今ここに、カニャッツォドラギニャッツォ、奏でるがいい、マラコーダが至高の旋律を!!」 声が止んだ。 「客人か・・・・・・。何用だ?」 長髪がゆっくりと振り向いた。ルークより少し年上ぐらいの、若い面もちだった。
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フヘ(鈴○ 拓かっ) - ベールゼブブ (男性) - 2008年11月29日 (土) 00時34分 [784]
ちょっと今回怪しいです。お気づきでしょうか?色々と元ネタに・・・。 分からない方のために一応注釈を。
魔女と使い魔: 魔女の起源はケルト民族とされています。ドルイド教ですね。というわけでアナグラムとして「ケトル族」として出しました。薬屋として森に籠もっていたのが中世に入るや魔女の見方がガラリと変わってしまい、魔術による呪殺のほうが有名になってしまいました。そのさい使い魔(ファミリアー。子ども服のブランドではない)として目がたくさんあるフクロウやら、目がたくさんある狼やらを使い、偵察に使っていたとされています。 くわしくはご自分で闇の世界に入って見て下さい☆
リンポ: キリスト教における第4の死後の世界。主に洗礼を受ける前に死んでしまった赤子がたどり着く。
マレブランケ: ダンテの「神曲」に登場する地獄の案内人で、極悪人を痛めつける悪鬼。総統はマラコーダ。スカルミリョーネやカニャッツォ、バルバリッチャやルビカンテ、ついでにカルカブリーナはファイナルファンタジー4でお目見えする。それぞれスカルミリョーネ、カイナッツォ、バルバリシア、ルビカンテ、カルコブリーナ。(私4ではカルコブリーナのテーマ曲が大好きです。余談。)
では長々したところでレス返し
天使様>あれ書いてた時はまだハロウィン終わってなかったんですが、もう終わってから一ヶ月ほったらかしですね。ハロウィンは10月の終わりです。ハイ。続きは気が向いたら書くかもしれません。が、下書きノートですら完結してないので終われるかどうか・・・。 まあ、色々あってああなったんだ、とだけ言っておきます^^; 因みにアレ、昔見た夢をモチーフにして書きました。雷の中私は屋敷に迷い込んで、ふと見上げると二階の廊下を歩いていた白い女の幽霊がすーっと歩いていて、と思ったら突然床が崩れて、悲鳴を上げて落ちていくんです。もう笑っちゃって。しかもゾンビの集団に襲われていたのをいつの間にか手に持ってたモーニングスターでばったばったとなぎ倒し、白旗あげさせて・・・・・・ってもういいやww
改訂バージョン何げに見ましたんで、ここで報告しときます。
では。
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追伸でネタバレ少し - ベールゼブブ (男性) - 2008年11月29日 (土) 00時56分 [785]
むちゃくちゃ後の話題ですが、これが終わった後のやつの予告書きます。映画ちっくなのはご勘弁。
フォールが魔王を倒し、アザトスが魔界に飛び込んでから一ヶ月経たずのことだった。
スライム族の令嬢、スラリーヌ。 「私、人間になってアザトス様と結婚したいの」
スライムの村の青年、スラドール。 「俺にはお嬢様を守る責任があります。お嬢様がアザトス様と結婚する夢を叶えるまでは」
キザなホイミスライム、ホミネロ 「何を言っているんだ! 傷心のお嬢様を娶るのはこの僕なのだよ! そうだろ? カラミーア!」
怪しいはぐれメタルの占い師、ハグルガ 「ふふふ・・・・・・秘密よ・・・・・・」
「どうしたらいいの? 私、選べないわ。アザトス様かスラドールかなんて・・・・・・」
「君には感謝してる。人間になって、どこか遠いところで暮らすのもいいな。誰かいい人見つけて・・・・・・」
「シニョリーナ、僕はいつだって君の側にいるとも!」
「結局どっちも一緒だと思うのよね。どちらにしても後悔することになるわよ」
「先に行け! 僕らは後で行く! 先に二人で幸せを噛み締めるんだ!」 「また会いましょう・・・・・・。どんな姿になっているか、お互い楽しみね・・・・・・」 「もしアザトス様と結婚できなかったら・・・・・・そのときは・・・・・・」 「さようなら・・・・・・みんな・・・・・・」
スラリーヌと愉快な仲間達(仮題) 乞わない、ご期待。 なお、予告の科白は実際のものと異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
ってか何年後の話だよ。 とりあえず期日を決めときます。来年の今頃までに書けなかったら同時進行!!(宣言)
では☆
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いやはや - 翼無き天使 (男性) - 2008年12月02日 (火) 18時45分 [786]
ハロウィン終わってもう1ヶ月ですねー。 続きを拝見しました^^ ルビカンテはなんか聞いたことあるぞ?
今の話にも未来の話にも期待してます^^ スライム族令嬢って・・・やっぱスライムなんですかね。 スライムの令嬢か〜。う〜ん。 見たいようなあんまり見たくないような^^;
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