年の瀬を乗り切る「宝船」 (2579) |
- 日時:2014年12月29日 (月) 23時53分
名前:伝統
平成26年も残り2日ほどで、いよいよ年の瀬も押し迫っております。
「瀬」とは川が浅く流れが急なところを指していますが、 1年のうちでもこの時期は急き立てられるように時間が経過することから 「年の瀬」と云います。
昔の人は、年始の準備やら暮れの支払いやらで、急流を船で越すように、 年の暮れを乗り越えるという感覚だったそうです。
「年を越せるかどうか」は、江戸時代の庶民にとっては重大事であり、 その大変さを、流れの急な「瀬」に喩えたものです。
渡り切れなければ、死につながるという感覚であったようです。
次のような歌があります。
「年の瀬や 川の流れと 人の身は あした待たるる その宝船」
これは、俳諧師宝井其角と、その弟子赤穂浪士の大高源吾が、 忠臣蔵の討ち入り前日の両国橋で交わしたと言われている。
前半は、師匠の宝井其角が詠み、後半は、源吾がその思いを詠みつなげたといわれます。
江戸の庶民にとっては、大望を叶えた源吾のように、 年の瀬を越したその船は、きっと宝船に相違ないと捉えたのかも知れません。
<感謝合掌 平成26年12月29日 頓首再拝>
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