「命ぎりぎり日本海」
作詞 水越 桂
寒風(かぜ)は止まぬか 吹雪になるか
三日三晩の 時化模様
命ぎりぎり 日本海
海の男を 持てあそぶのか
牙むく荒波(なみ)の 憎らしさ
狂い吠(な)くよな 虎落笛(もがりぶえ)
潮の流れに 抗(あらが)いながら
沖で網引く 厳寒(かん)の漁
裏木戸(きど)をくぐれば 日本海
あんた思えば 心が騒ぐ
繕(つくろ)う網を 握りしめ
せめて静まれ 虎落笛
無事を祈って 燈明(あかり)を灯す
留守をあずかる 日課(きまりごと)
両手合わせる 日本海
明日は帰るか 大漁船で
しぶきに濡れた 汐の肌
抱いておやりと 虎落笛
「通天閣の空の下」
作詞 氏原一郎
茶碗投げ捨て ケンカもしたし
背中すがって 泣きもした
花の大坂 あんたに惚れて
アホほど一途に ついてきた
通天閣の空の下
苦労覚悟の 夫婦(めおと)みち
うちら稼いだ お金はいつも
羽根を生(は)やして 飛んでった
すかんぴんなら 笑うてナンボ
笑顔の貯金を すればえぇ
通天閣の空の下
陰も日向(ひなた)も ふたり連れ
渡る浪花に 鬼さんおれば
ふたり気張って 越えてきた
つらい暮らしは 日めくりしましょ
明日こそ晴れの日 福よ来い
通天閣の空の下
浮世春秋 泣き笑い